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大津市出身51歳の新人監督「河童の女」が大津で公開 「自分の故郷描いた映画」

映画「河童の女」は、川辺の民宿で働く男とそこに流れてきた女の物語(© ENBUゼミナール)

映画「河童の女」は、川辺の民宿で働く男とそこに流れてきた女の物語(© ENBUゼミナール)

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 滋賀県大津市出身の辻野正樹監督の劇場デビュー作「河童の女」が8月7日、大津アレックスシネマ(大津市浜町)で公開された。

「51歳の新人監督」辻野正樹さん(© ENBUゼミナール)

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 同じく滋賀県出身の上田慎一郎監督の「カメラを止めるな」を輩出したENBUゼミナール(東京都品川区)主催の「CINEMA PROJECT」の第9弾として制作された。辻野さんは1968(昭和43)年生まれの51歳。23歳の時にミュージシャンを目指して上京したが、「全く売れず、音楽の道に挫折」。30代で劇作家への転身を決め、友人と2003(平成15)年に劇団「サニーサイドウォーカー」を立ち上げる。「旗揚げ公演の作品がドラマ化されるなど、最初は順調だったが、結局演劇の世界でも注目されることがなかった」と振り返る。「40代でまたしても転身すべく」映画監督を目指して2011(平成23)年よりENBUゼミナールで映像制作を学ぶ。同ゼミナール卒業生が参加できる企画コンペで「河童の女」が選ばれた。辻野さんにとって長編映画デビューとなる。

 辻野さんは「ずっといろいろな表現活動を続けてきたが、何をやっても成功せず、『ああでもない、こうでもない』と長い間自分探しを続けてきて、やっと映画監督にたどり着いた。この先どうなるか分からないが、できることなら1本でも多く映画を作りたい」と話す。

 辻野さんのオリジナル脚本に合わせ、ワークショップオーディションで選ばれた16人のキャストに、ベテラン俳優の近藤芳正さんをゲストに迎えた。川辺の民宿を舞台に、トラウマを抱えながらも懸命に生きる人々の姿や、田舎が抱える問題を描いた作品となっている。

 辻野さんは「瀬田川の近くで育ち、川のある風景に懐かしさを感じる。『河童の女』は川沿いの民宿に集まってきた人々の物語。映画を作っているときは思いもしなかったが、完成した作品を見ると、これは自分自身の故郷を描いている映画だと気づいた」と話す。

 「映画には地元に縛られて生きる者、地元を捨てて出て行く者、結局地元に戻って来る者、地元を愛し盛り上げようとする者などが登場する。故郷に対するさまざまな思いを描いたのは、滋賀という故郷があったからこそだと思っている」と滋賀県への思いを話した。

 大津アレックスシネマでの公開は20日まで。東京、神奈川、京都などで順次公開されている。

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