元Jリーガーの村田和哉さんが講演する「しがのわプロジェクト」が12月6日、滋賀大学教育学付属中学校(大津市昭和町)で開催された。
村田さんは「付属小・中で夢授業を行う」とノートに書き、その夢をかなえた
村田さんは守山市出身で、2006(平成18)年に野洲高校で全国高校サッカー選手権優勝を経験。セレッソ大阪、清水エスパルスなどJリーグで活躍し、現在は自身が立ち上げたヴィアベンテン滋賀の監督兼選手として活動している。
村田さんは現役時代の2016(平成28)年から「夢授業」として、全国各地の学校で講演してきた。2022年5月から滋賀県内の小・中・高校で講演する「しがのわプロジェクト」を始め、滋賀大学教育学部付属中学校が70校目となった。
村田さんは中学1年生の生徒に向け、自身の経験を基に「夢はかなうもの」だと講演した。内容は、村田さんが中学2年の時に父親が病死した直後に「人生を変える」と生徒会長になった話や、セレッソ大阪を退団して海外チームへの移籍を目指すも挫折し1人で練習した経験など。村田さんは1人で練習したグラウンドの写真を見せ、「この写真がいつか子どもたちの希望になると思って撮影した。つらい時には写真を撮影しておいたらいい。どん底の経験は成功した後に誰かに話すネタになる」と話し、「苦労や失敗、挫折を味わってほしい。どんなチャレンジをしてどんな失敗をするかが重要」とメッセージを送った。
講演では、村田さんが夢を書いた「夢ノート」も披露。「カズ(三浦知良選手)と写真を撮る」「ベンツに乗る」「自分の自動販売機の設置」「琵琶湖の上でサッカーをする」など、村田さんがノートに書き、かなった夢について話した。ノートには「付属小・中で夢授業をする」と書かれていて、「今日夢が一つかなった」と笑顔を見せた。現在の夢は「滋賀県にJリーグチームをつくること」だと話し、「無謀だと笑われた。夢は人に笑われてなんぼ。みんなも人に笑われるくらいの夢を持ってほしい。わくわくする夢ノートを作ってほしい」と伝えた。
中学1年の男子生徒は「小学6年生の時にも村田さんの夢授業を受けて、夢が広がった。ノートに『野球がうまくなりたい』など100個ほど夢を書いた」と話す。
村田さんは「夢ノートにはどんな小さな夢でもいいから書いてほしい。ちょっとした成功体験をすることで、夢を見ることのハードルを下げたい。これからも県内の企業と協力して、しがのわプロジェクトを続けたい。次の目標は100校」と意気込む。