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琵琶湖博物館の体験学習室が20年の歴史に幕 来夏にリニューアル

ザリガニの体の中に入ってオタマジャクシを捕まえる展示

ザリガニの体の中に入ってオタマジャクシを捕まえる展示

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 琵琶湖博物館(草津市下物町)のディスカバリールームがリニューアルのため11月30日、閉館した。

ディスカバリールームスタッフの森智美さんと片淵綾香さん(関連画像)

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 同ルームは20年前に作られた体験学習室。ザリガニの体の中に入って餌を捕まえる「ザリガニになってみよう」、水槽の中に入って魚を観察できる「のぞいてみよう魚の世界」、顕微鏡で化石を見る「ミクロの世界」などを設置し、年間約3万人の来館があった。

 20年前の開設時に担当した芦谷美奈子さんは「小さな子どもが博物館に来るきっかけになってほしいと作った。毎週火曜に来ていた小学生が印象に残っている。子どもの頃に遊びに来ていた子が大人になって自分の子どもを連れて来館してくれることもあった」と振り返る。

 大津市の池上詩織ちゃんの母親は「1歳の頃から通っている。散歩の代わりに博物館の中を歩いて、お弁当を食べて、ディスカバリールームで遊んだ。子どもの好きな『石の下の生き物』の展示がなくなるのが残念」と話した。

 同ルームスタッフの森智美さんは「デジタル社会なのに、ここはアナログな展示ばかり。真剣に遊ぶ子どもたちを見て、20年たっても子どもの好きな遊びは変わらないのだと感じる。リニューアル後も、ザリガニや人形劇場、『おばあちゃんの台所』などが残り、アナログな展示になる予定」と話す。

 同博物館学芸員の澤邊久美子さんは「リニューアル後は、生き物や植物、郷土料理のにおいを感じられる展示や、模型ではなく本物の標本に触ることができる展示、動物がどのように音を出すかを体感できる展示など、五感を刺激するものが増える。20年前の開設時は小学校低学年をターゲットにしていたが、実際は未就学児の利用者が多いので、年齢を問わずに楽しめるように体で感じる展示にすることになった」と話す。

 「小さい子どもしか気付かないような低いところに展示をしたり、親に抱っこしてもらわないと見えないところに展示したり、親子の関わりが生まれるような仕掛けも考えている。親子や子ども同士など人対人の交流の中で広がりのある展示にしたい」とも。

 同博物館は2016年より3期に分けてリニューアルを実施しており、2018年7月に第2期リニューアルが終了予定。同ルームは7月上旬に子ども向けの「ディスカバリールーム」と、図書室を併設した「おとなのディスカバリー」として開館する。

 リニューアル中も博物館は営業する。12月と1月の土曜・日曜には、イベント「人文字でディスカバを書こう」が行われ、撮影した人文字はリニューアル後の看板に使われる。来年2月12日には「森の宝物さがし」のイベントを実施。参加者が見つけた宝物をリニューアル後の同ルームで「みんなの宝物」として展示する。

 開館時間は9時30分~17時。月曜休館。

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