タオル通信販売・卸・小売・製造企画などを手掛ける京都工芸(大津市唐崎1、TEL 077-579-6662)の寺田元(げん)社長は、宮城県牡鹿郡女川のサッカークラブチーム「コバルトーレ女川」に「日の丸タオル」を届けた。
Jリーグクラブ入りを目指す同チームは、2011年に東日本大震災で被災し津波被害でグランドを全て失ったが、昨年、芝のグランドを完成させクラブ消滅の危機から復活を果たした。同社の寺田元(げん)社長は、今年のタオル売り上げ全額で「日の丸タオル」を作り、同チームに届けに女川を訪れたところ、ジュニアコースに所属する子どもたちが日の丸タオルで「ガンバロー」の文字を作って出迎える歓迎のパフォーマンスを披露した。
寺田さんは「ここまでしてくれるとは思わず、本当に感動した。被災地へ行くと逆に元気をもらう。しかしまだ球場の中に仮設住宅があったり、さら地になった津波の爪あとを目の当たりにしたりすることもあった」と振り返る。
2009年にWBC(ワールドベースボールクラシック)でイチロー選手がヒットを打った瞬間に、現地でバラバラのタオルを振って応援しているのをテレビで見て、「日の丸タオル」を作ることを決意して5年。同社は、2010年開催のサッカーワールドカップ南アフリカ大会に出場した日本代表チーム全員にも同タオルを届けた。
「今回もブラジルで戦う選手とサポーターをつなぐタオルでありたい」と寺田さん。ワールドカップ会期中は、日の丸タオルを「サムライ価格」の3,600円で販売するという。売り上げの一部はスポーツ振興に役立てる予定。
寺田さんは、各産地のタオルを工場と連携し1500を超える材質のタオルをセレクトする「タオルソムリエ」として、使う人の心に寄り添う。使用済みのタオルを無料回収・リーユースし、新しいタオルを送り返すシステムも確立した。「日の丸タオルを通じ、日本人がつながり、生活必需品であるタオルで夢を追うアスリートを鼓舞することができたら」と意欲を見せる。