立命館守山高校に通う3年生6人がフィリピン支援プロジェクトとして企業とコラボし、ココナツリップクリームをプロデュースし商品化に向け活動している。
広報費の資金調達のため、12月26日にはワン・ワールドフェスティバル・ユースでコンペ大会への出場が決まっている
生徒たちは同校で行われている国際協力の授業を通して世界のさまざまな現状を学ぶ機会を通し、長く継続できる支援としてフェアトレードの存在を知ったという。当初はガーナで採れるシアバターを使ったリップクリームを企業と協働で企画していたが商品化に至らなかった。諦めきれずにコラボ企業を探していく中で、ココウェル(大阪市西区)と出会いプロジェクトがスタートしたという。
同社はココナツ商品の開発・販売を通してココナツ農家の支援、フィリピンの貧困問題解決に取り組む企業。日本の通信・定時制高校に通う高校生に対してキャリア支援を行う認定NPO法人D×P(大阪市中央区)と協働し「しんどさ」を抱えた高校生をフィリピンへ「スタディーツアー」に送り出すため、売上のうち100円が寄付される「ココファンドリップ」なども手掛ける。今年1月に同校の講演会で登壇したことがきっかけとなり、問い合わせの電話を受けたという。水井裕社長は「思っていても行動に移せない人も多い中、電話をかけてきて実際に行動に移すということがすごいと思った。高校生の世代にもリップクリームの製品の事、フィリピンの事を知ってもらう良い機会になればうれしい」と期待を込める。
生徒らは同社を訪ねリップクリームを作るなど試作に取り組み、香り選びなどを行ってきた。今後は価格設定やパッケージデザイン・商品名を決めていくが、「どういった商品名ならインパクトがあるのか」「値段が安いわけではないが買ってもらえるか」などの不安もあるという。杉元美沙希さんは「この活動を通してフェアトレードという形を中高生にも広げていきたい」と話す。溝口裕太くんは「自分たちが高校生でも国際協力ができると伝えたい」と意気込む。
今回の取り組みではリップクリーム300個を製作・販売予定。生徒たちは広報費の資金調達のため、12月26日に大阪市内で行われる「ワン・ワールドフェスティバル・ユース」コンペティション大会に出場を予定。完成した商品は2月10日、同校で行われる学術発表会で発表、同日から同校生協で販売する。その後、草津エイスクエアの雑貨店「イノブン」での販売も決まっている。