
元Jリーガーの大杉誠人さんが5月3日、栗東市に知的・発達障害者が対象のサッカースクールArc Football Club(アルク フットボール クラブ)を開校する。
滋賀県で長くサッカーをププレーしてきた大杉さん(写真提供=大杉誠人さん)
小学1年生以上の知的・発達障害者を対象としたサッカースクールで、J2所属のカマタマーレ讃岐やJFL所属のMIOびわこ滋賀(現・レイラック滋賀)、関西リーグ1部所属のレイジェンド滋賀(2025年ヴェラーゴ生駒に運営を移管)などに所属した大杉さんが代表を務める。
大杉さんは「知的障害がある次男がサッカースクールに入ったが、年齢が上がると、技術面でも理解の面でもついていけなくなった」と振り返る。「自分の子どもにサッカーをする場所を提供したい」「障害のある子にサッカーを通して成長してほしい」と、サッカースクールの開校を決めたという。指導者ライセンスだけでなく介護福祉士と児童発達支援管理責任者の資格を持つ。知的障害者のサッカークラブ・FC滋賀での指導経験もある。「視覚優位の子は言葉で説明しても分からないが、手本を見せると分かる場合もある。勝ち負けにこだわり、残り1分でも勝つためにどうしたらいいかと、純粋にサッカーに取り組む姿を見ていると忘れかけていたことを思い出させてもらえる。指導しながら自分も勉強させてもらってきた」と話す。新たに開校するスクールでは「特性やレベルに合わせた指導で試合への出場を目指す」と意気込む。
「長年サッカーをプレーしてきて、指導者のおかげで人として成長できた。一緒にサッカーをすれば、一つのゴールという目標に向かって仲間と協力する中で、人と意見をすり合わせることや、自分で決めることを自然と学べる。教え子がいつか指導者になって人に教えられるくらいに成長してくれたら」と大杉さん。「部活にもクラブにも入れず、体を動かす機会がない人も参加してほしい。保護者のコミュニティーが広がるきっかけにもなれば」と呼びかける。
毎週土曜に開校予定。5月の指導は栗東市野洲川運動公園ソフトボール場(栗東市出庭)で行う。今後は栗東市、守山市を中心に活動する。