
綿花を栽培し製品にする「鎌倉シャツコットンプロジェクト」が5月16日、ヤンマーサンセットマリーナ(守山市水保町)、立命館守山中学・高校(三宅町)、おうみんち(洲本町)で始まった。
メーカーズシャツ鎌倉(神奈川県鎌倉市)が綿花の栽培からシャツの製造・販売までを全て国内で行うプロジェクト。守山市以外でも今治市や寒川市など国内6カ所で実施している。
守山市では、16日にヤンマーサンセットマリーナと立命館守山中学・高校、17日にJAファーマーズマーケットおうみんちに「超長綿」の苗木を植えた。植えた苗木はヤンマーマリーナ240株、立命館守山31株、おうみんち500株。11月中旬に収穫し、メーカーズシャツ鎌倉が製品化する予定。同社取締役の佐野貴宏さんによると、3カ所で栽培した綿花から70~80キロの綿が収穫でき、15~18キロの糸になり、30~40枚のシャツを製造できるという。佐野さんは「綿花を育て、収穫することで、大切に作り、大事に着るきっかけになれば。規模は小さくても、各地に根付くことで服のことを考えるきっかけになることを期待している」と話す。
今回のプロジェクトには村田製作所の社内ベンチャーであるピエクレックス(野洲市大篠原)の「P-FACTS(ピーファクツ)」の技術を取り入れる。P-FACTSは、ピエクレックス社が製造する植物由来の合成繊維「ピエクレックス」を使用したアパレル製品を回収し、堆肥化までを一貫して行う循環インフラ。今回のプロジェクトにピエクレックスから作った堆肥を使用し、服からできた堆肥で綿花を育て、また服を作るという完全循環型リサイクルに挑戦する。
佐野さんは「栽培した綿花から市内のホテルのパジャマやタオルを製造し、地域内での資源循環の仕組みをつくりたい。大量生産、大量廃棄のアパレル業界に、新たな循環型エコシステムを確立したい」と意気込む。