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琵琶湖博物館で川の古地図展示 古地図から防災の歴史を読み解く

400メートル以上ある大型地図も展示している

400メートル以上ある大型地図も展示している

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 17~19世紀の琵琶湖集水域・淀川流域の古地図を展示する企画展「川を描く、川をつくる-古地図で昔の堤をさぐる-」が現在、琵琶湖博物館企画展示室で開催されている。

琵琶湖博物館で開催中の「川を描く、川をつくる」

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 江戸時代から明治時代に作成された古地図や古文書などの歴史資料や民俗資料など、延べ118件の資料を3期に分けて展示。

 20世紀初頭に作成され、2022年から3年かけて修復した400メートル以上ある大型地図3点を入れ替えて展示。現在は、1901(明治34)年ごろに作られた長浜市の草野川の地図を展示している。地図には堤防の形の変更や、川の流れを改修する工事の内容も記されていて、20世紀初頭に滋賀県で河川管理が行われていたことが分かる。

 ドローン測量やフィールドワークによって、東近江市の愛知川の近くで発見された小さな堤「猿尾(さるお)」をVRコンテンツや3Dプリント模型で再現した資料も展示する。

 古地図のほか、1980(昭和55)年に高島市の安曇川河口で川の洪水を防ぐために作られた「蛇籠(じゃかご)」などの民俗資料も展示。

 同館学芸員の島本多敬さんは「古地図を見ると、集落を守るために堤防を造ったことが分かる。歴史を防災に生かすことができる貴重な資料」と話す。「滋賀県は地域の古文書が多く残っている。古地図や古文書の実物を自分の目で確かめてもらいたい」と呼びかける。

 開館時間は9時30分~17時(最終入館は16時)。入館料は、大人=840円、大学生・高校生=470円、中学生以下無料。企画展示観覧料が別途必要。企画展示観覧料は、大人=340円、大学生=270円、高校・中学・小学生=170円。11月24日まで。

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