叶 匠壽庵(かのうしょうじゅあん)の代表銘菓「あも」をテーマにしたイベント「あもまつり2025」が現在、寿長生(すない)の郷(大津市大石龍門)で開催されている。
どら焼きの皮で「あも」とバターを挟んだ「生あもどら」を280円で販売
叶 匠壽庵は1958(昭和33)年創業の和菓子店。1985(昭和60)年、約6万3000坪の丘陵地を整備し、菓子工場併設の寿長生の郷をオープンした。里山の景観を生かした施設で、茶席や食事所が点在し、日本文化や四季の移ろいを体感できる。
2023年から秋に小豆をテーマに掲げたイベントを開催しており、2024年の「大津絵とあずきまつり2024」には19日間で1万6259人が来園した。今年は発売から55年目を迎えた「あも」を主軸に展開する。
「あも」は羽二重餅をあんこで包み込んだ棹(さお)菓子で、同社の菓子部門で売り上げの約3割を占める人気商品。名称は宮中で使われた女房言葉で「餅」を意味する言葉に由来する。
期間中、売店やレストランで「あも」を題材にした菓子や料理を提供する。総合案内所には定番品から季節・店舗限定品を含む7種類の「あも」が並ぶ。羽田空港限定の「濃茶」を同施設内で初めて販売する。
イベントのテーマは「あも、未来につなぐ」。総務部秘書広報課の関野芽衣さんは「55年という節目に当たり、今後100年以上、さらに多くの人に愛され続ける菓子にしていきたい」と話す。
会場で初めてあもを食べたという大阪府枚方市の女性は「きんつばに似ていると思ったが、それ以上に小豆も餅もやわらかく、おいしかった。また大阪でも買ってみたい」と話した。
関野さんは「小さな子どもから大人まで幅広い世代にあもを知ってもらえる機会になれば」と期待を寄せる。期間中の土日祝日には催しを用意し、最終日はあもぜんざいの振る舞いを行う。
営業時間は10時~17時(店により異なる)。水曜定休。11月24日まで。