東京体育館(東京都千駄ヶ谷)で8月14日、「第29回全日本バレーボール小学生大会」の男女決勝トーナメントが行われ、滋賀県代表の男子チーム「比叡平」が悲願の初優勝を飾り、全国から参加した男子1,036チームの頂点に立った。
12日・13日に行われた予選・決勝リーグを順当に勝ち上がり、準々決勝で「ますらお」(茨城)、準決勝では「郷」(石川)をレシーバー陣の堅実な守備と身長178センチのエースアタッカー吉田綜眞選手の力強い攻撃を武器にいずれもストレートで勝ち進み勢いに乗った。
決勝は、島門ジュニア(福岡)の河野良亮選手とのエース対決となり第1セット序盤は一進一退の攻防が続いたが、中盤の4連続ポイントからリズムをつかみ21-18で第1セットを先取した。第2セットは序盤から吉田選手のアタックでリードを奪い優位に立つと、キャプテン近藤誉選手のアタックや高橋結人選手のサービスエースなどでリードを広げた。
最後も吉田選手がネット際での河野選手とのボールの押し合いに競り勝ち、勝利を決める21点目が入ると選手全員が両こぶしを突き上げ、喜びを爆発させた。応援団からは割れんばかりの歓声と惜しみない拍手が送られた。
近藤選手は「前日に行われた選手村での決意表明で優勝を宣言した。『絶対に勝ってやる』と自分に言い聞かせていた」と話す。吉田選手は「2月に広島で一度対戦したことがあり、その時も勝っていた。今回も絶対勝てると思っていた。1点1点を確実に取ることを心がけた」と精神面での強さも見せる。河野選手は「会場の雰囲気にのまれてしまった」悔しさをにじませた。
小野由美子監督は「優勝するために厳しい練習を続けてきた。今まで教えてきたことをすべてコート上で発揮してくれた。結果に満足することなく、次の目標に向かって進んで行きたい」と早くも気持ちを切り替えていた。