琵琶湖ホテル(大津市浜町)が昨年秋から実施している「山野草プロジェクト」がこのほど、都市緑地基金が主催する「生物多様性保全につながる企業のみどり100選」に認定された。
同プロジェクトは、サツキやヘデラなど観賞用の3種の花を植えた花壇だったホテルのびわ湖側スペース155メートル(約325平方メートル)の敷地に、多様な生物の宝庫である「棚田のあぜ」をモデルに約130種類の里山の植物を植栽し、多彩な生命体を有する環境を作り出そうと昨秋から取り組んでいるもの。
同ホテルマーケティング部の本荘由美子さんは「お客さまに2002年以来レストランで提供している棚田米のできる里山環境に関心を持っていただき、滋賀の原風景ともいえる『里山の四季』を感じてもらえればと取り組んできた」と話す。
現在は、スズムシバナ、カリガネソウ、リンドウなど秋の里山を代表する草花が開き、びわ湖から吹く風を感じながら散歩を楽しむ利用客も。「山野草を見て幼かったころの風景を思い出して涙する人も」と本荘さん。「最近ではコオロギやバッタ、チョウなどの生き物がどこからともなくやって来てにぎわってきている。生物の多様性というものを改めて感じることができる」とも。
本荘さんは「今後はもっとお客様に楽しんでいただけるように四季を通じた山野草の説明なども作っていきたい。このような取り組みを通じて『環境』自体が『観光資源』になりお客さまに楽しんでいただけるようになれば」と期待を寄せる。