「平尾里山・守り人(もりびと)の会」と棚田オーナーは、5月18日、大津市の「仰木の棚田」で田植えを行った。
「仰木の棚田」は平安時代から開墾されたという歴史を持ち、山並みに沿って階段のように位置する景観の美しさに多数のカメラマンが撮影に訪れる。棚田は水の管理や機械化の難しさ、担い手の減少などの理由から貴重な存在となっている。主に「レーク65」という品種の米を生産する。
同会は、地元農家の有志とボランティアによる棚田保全活動、棚田オーナー制度の運営をする団体で2006年に発足。9月には稲刈りの予定で、来年3月には新規オーナーの募集も行う。
栗東市の宮島崇さん家族はオーナーの代理として初めて参加した。「なかなか経験できないことで、参加して良かった」と裸足で田んぼに入りながら、笑顔で答えた。
同会広報担当の白井良昌さんは、オーナーとして大阪から夫婦で参加したことをきっかけに、妻の晃子(てるこ)さんの要望で大津へ移り住み、棚田を借りているのだという。開始に際し、会長の廣岡太兵衛さんは「今年は水不足でなかなか田植えの準備ができず、寒暖の差も激しく大変だった。今後も水の守り(もり)やイノシシやシカなどの獣害から棚田を守る取り組みをしていきたい」と挨拶した。