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写真家・今森光彦さんが公開講座「ニッポンの里山」-成安造形大学で

「棚田の美しさに感動しながら、自身も耕している」と滋賀の里山の魅力を語る今森さん。「ものの見方で風景が変わってくる」という深い言葉も。

「棚田の美しさに感動しながら、自身も耕している」と滋賀の里山の魅力を語る今森さん。「ものの見方で風景が変わってくる」という深い言葉も。

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 成安造形大学(大津市仰木の里東4)で6月15日、同大客員教授も務める写真家・今森光彦さんがスライドトークを中心とした特別公開講座「ニッポンの里山」を開いた。

福島県三春町の滝桜

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 1954(昭和29)年滋賀県生まれの今森さんは30年にわたり、びわ湖の里山を撮り続けてきた。1995年に「第20回木村伊兵衛賞」を受賞。7年前より「日本の里山」を巡って写真を撮り始め、5年前からはNHKが同行するようになり、番組としても放映もされている。現在までに訪ねた里山は130カ所を超え、目標は200カ所だという。

 スライドトークでは20枚に及ぶ美しい里山の写真を紹介しながら、撮影場所への思い入れ、タイミングを計り長時間かけて撮影したという苦労話のほか、自然環境・生態系保護への意識を高める話を繰り広げた。参加者150人は今森さんのフィルターを通して見る里山の世界に引き込まれ、時折ため息や歓声も聞こえた。

 ペーパーカットアーティストでもある今森さんの展示会を見て参加したという彦根在住の30代女性は「講演を興味深く聞いた。自然がある風景が好きなので写真展も見たい」とほほ笑む。

 「びわ湖周辺のような豊かな里山はもうない。滋賀県は自然豊かな県。自然の生物を保護することよりも、大丈夫な環境をつくることが大事。大丈夫じゃなくなる環境の方が問題」と問題を提起する。今森さんは滋賀の棚田が広がる里山にアトリエを構え、昆虫採集などのワークショップも行っている。「滋賀の里山という一つの環境への一つのこだわりを持って、あと2、3年は続けていきたい。滋賀県全体が一つの里山」と滋賀への愛着を語り講座を締めくくった。

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