「滋賀 地酒の祭典」が今年も開幕した。9月23日は、「滋賀県きき酒王決定戦」と「みんなで選ぶ滋賀の地酒会」が大津プリンスホテル(大津市におの浜4)で開催された。主催は滋賀酒造組合で、開催は7回目。
実行委員長の美冨久酒造の藤居範行さんは「地元甲賀市には県内の蔵元の3分の1が集まり野洲川沿いに点在している。滋賀はびわ湖の水が豊富で、近江米の米どころでもある。3回に分けて開くので、ゆっくり楽しんでほしい」と参加を呼び掛けた。開会セレモニーで、同組合の藤居鐵也会長は「他県からの参加者も多く、毎年おいしくなっていると好評。滋賀の地酒が広がってきたことがうれしい」とあいさつ。利き酒セミナーでは、同組合顧問の小幡孝之さんが「まずは香りを嗅ぎ、味わい・バランス・後味を楽しむ」と案内した。
同決定戦では、利き酒の正確さを競って40人が対決。優勝者に長谷川義成さん、準優勝者に高橋まどかさんが選ばれた。2人は滋賀代表として10月25日に行われる全国大会へ出場する予定。前回も全国大会へ出場した湖南市の高橋さんは「1回目からずっと参加している。日頃から利き酒の訓練を楽しみながら行っている。料理によって飲み分けることができる」と自信に満ちた表情を見せる。
地酒会では、同決定戦出場者を含む200人の参加者が蔵元から出品された85点の地酒を普通酒・純米酒・吟醸酒・純米吟醸酒の4部門に分け、各部門20分で利き酒を行った。評価は4段階で、最も評価が高かった蔵元が「知事賞」に選ばれる。「集中力・判断力が鈍るといけないため私語は慎むように」との注意が流れる中、会場には、真剣な表情の参加者が酒を注ぐ音、吐き出す音だけが小さく響いた。小さじ1杯くらいに注いだ酒を口に含み、味を確認してはバケツに吐き出すという方法が推奨されているが、どうしても2ccほどは飲んでしまうため、徐々に顔が赤らむ参加者の姿もあるなどして、1時間30分が終了した。
初参加した甲賀市在住の生田久美子さんは「甘口の純米吟醸酒が大変おいしかった。実家の向かいが酒蔵で、小さいころはよく遊びに行って水あめを食べさせてもらったりしていた。広い酒蔵に大きなたる、酒男たちが歌を歌いながら作業していた光景は今でも覚えている。憧れている酒ライターの吉田類さんのように、いろいろな酒をおいしく飲めるようになりたい」とほほ笑む。
10月6日はメーンの「滋賀 地酒の祭典」を。県内の全蔵が集結し、300種類以上の地酒を試飲することができる。「知事賞」も同日発表予定。開催時間13時~16時。入場料1,000円。事前申し込み不要。同27日は、「滋賀地酒屋の夕べ」が開催され、各蔵元が用意した自慢の地酒を、同ホテル和食料理長渾(こん)身の酒に合う料理と共に楽しむ。開催時間18時~20時。入場料8,000円。定員250人。予約はホームページの応募フォームかファクシミリ・官製はがきで受け付ける。
問い合わせは同組合の宮武さん(TEL 077-522-3070)まで。