滋賀の「美」に関するもの・こと・人・場所などの情報を集めてアートマップを作成し、滋賀の魅力を発見・発信するプロジェクト「美の滋賀くらぶ アートマップをつくろう」事業の船出を祝う「就航式」が9月2日に行われ、事業のスタートを切った。同プロジェクトは滋賀県が「美の滋賀発信懇話会」からの提言を受け事業を企画し、アートマップ編集委員会(事務局=滋賀県文化振興事業団内)を組織し取り組む。
それぞれが持ち寄った「美の滋賀」画像をみながらディスカッションする参加者
就航式は近江八幡市立沖島小学校(近江八幡市)を会場に、アートマップ編集委員会メンバー、コアサポーター、一般参加者、事務局メンバーら約30人が参加。ゲストに「美の滋賀発信懇話会」座長の鷲田清一さん(大谷大学教授、前大阪大学総長)を招いた。各委員が持ち寄った「美の滋賀」画像を見ながら参加者でディスカッション。鷲田さんの講評も交え「滋賀の持つ美の魅力」について語り合った。
プロジェクトでは新たに投稿型ホームページを開設。広く県民からも滋賀の「美」を「自然の美」「人の営みの美」「時間の美・歴史の美」などテーマごとに写真を募集。併せて、来年3月をめどに紙版のアートマップを印刷して配布する予定だという。
アートマップ編集委員会委員長の上田洋平さん(滋賀県立大学地域づくり教育研究センター)は「『美』をカテゴリーを設けて集めることからスタートするが、そもそも『美』とは分類できるようなものなのか。実は『その他カテゴリー』が大切なのでは。ハッと心が動く、それは何か。そうした部分を大切にしながら『美の滋賀くらぶ』を通じて滋賀の魅力を発信していければ」と話す。
「『美』という言葉にあまりこだわりすぎず、人がいいなと思ったものをそれぞれが見る目と聞く耳を持つことが大切。そして、それをつないでいく。暮らしの中で、ふといいなと思ったものを突き詰めてみる。それでいいのでは」と鷲田さん。今回のプロジェクトについては、「美の専門家の集まりではなく、多種多様な委員、コアサポーターが集まった。『いいもの探したい』『人にも自慢したい』という思いが比較的強い滋賀以外の出身者も多く成果が期待できるのでは」と今後への期待を込めた。