特集

大津百町百福物語 Vol.12 「近江牛すじ土手煮込み」

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大津市の特産品「大津百町百福物語」は2015(平成27)年に大津商工会議所が始めた認定制度で、現在までに53点が認定を受けています。

大津が生み出した素材、歴史、文化、技術などに深く関わりを持つものを中心に、「高い品質である」と認められた食品と工芸品を大津商工会議所が「大津百町百福物語」ブランドとして認定しています。

びわ湖大津経済新聞では、地元で愛される「大津百町百福物語」認定商品に携わる人にスポットを当て、特集記事を公開していきます。

4日間かけて煮込む牛すじ肉

第12回は近江牛専門「忠真(ただしん)」の近江牛すじ土手煮込みです。

A4、A5ランクの近江牛の牛すじを使い、赤みそと白みそで味付けした土手煮込みは完成までに4日間。全て手作業で仕上げています。

1日目は牛すじの塊をゆでこぼし、水洗いを4~5回繰り返し、湯の濁りがなくなるまであく抜き。2日目に切った牛すじに調味料を入れ、下味を付けて煮込みます。3日目は赤みそと白みそを入れ、本格的に味付けして煮込みます。調味料の量はすじ肉の状態に合わせて調整するそうです。4日目は浮いてくる油かすを丁寧に取り除きながら煮込み、4日間かけて仕上げます。

賄いから生まれたメニュー

現在は県道558号高島大津線(旧国道161号)沿い(※大津市長等に移転。2024年4月1日オープン予定)に店を構え、近江牛専門のレストランと仕出し弁当を提供していますが、以前は雄琴で仕出し弁当と近江牛懐石を提供していた「忠真」。さばいた時に残る牛すじを煮込んで従業員の賄いにしたのが土手煮込みの始まりです。

忠真の社長、島田真弓さんは「賄いの土手煮込みを食べた従業員から『おいしいから持って帰りたい』との声が上がり、土産物にできないか検討を始めました」と振り返ります。

2018(平成30)年に土産品としての販売を始めました。「大津百町百福物語」認定商品となり、大津駅前観光案内所などでの販売が増え、厨房(ちゅうぼう)の面積を拡大するために店を移転することに。当初は仕出し弁当と土産品の製造のみを計画していましたが、交通量の多い道に面している立地を生かしてランチ営業を始めました。

店内では近江牛のステーキやローストビーフ、焼きしゃぶ、ハンバーグなどと、牛すじ土手煮込みを提供しています。ローストビーフ丼のソースは赤ワインとみそから選べ、みそソースは土手煮込みを炊きこんだスープを使っています。牛すじ土手煮込み丼やステーキ丼、ローストビーフ丼などはテイクアウトも可能。

土産品の近江牛すじ土手煮込みは、湖の駅浜大津・滋賀竜王、大津駅前観光案内所、大津サービスエリア(上り)、菩提寺パーキングエリア(上り)、雄山荘などで販売しています。

仕出し処 忠真

大津市長等2丁目3-42 平幸ビル1階に移転。2024年4月1日オープン予定。

077-579-5915

営業時間 11時~17時(ラストオーダー16時30分) テイクアウトは18時まで

定休日 木曜・第3水曜

 

取材・文=山中輝子

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