2025年、滋賀県で「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ(第79回国民スポーツ大会・第24回全国障害者スポーツ大会)」が開催されます。
今回は、セーリング成年男子ILCA7級に滋賀県代表として出場する安田真之助さんを紹介します。
国スポは9月28日~10月8日、障スポは10月25日~27日に県内各地で開催されます。セーリング競技は9月28日~10月1日までの4日間、柳が崎ヨットハーバー(大津市柳が崎)で開催されます。
帆(セール)に受けた風をエネルギー源として水の上を進む「セーリング」。国スポのセーリング競技は、ヨットとウインドサーフィンです。
安田さんが出場するのは成年男子の一人乗りヨットILCA7級。安田さんは、高校1年生から京都府代表として国体に出場。以降、ほぼ毎年出場し、高校2年生の時には少年の部で優勝しています。
ロンドン・リオ五輪出場を目指すも、出場はかなわず、第一線の競技者としての挑戦を終えた安田さんは、教員として国体に出場する生徒を引率するため選手登録して国体出場することにしました。
2022年に膳所高校の体育教員となり、栃木国体から滋賀県代表として出場しています。
「何年やっても自然相手のスポーツなので正解がないこと」がセーリングの魅力という安田さん。「体力があるからといって勝てるわけではなく、技や駆け引きも必要。風の変化や潮の流れも影響する」と話します。
セーリング競技は海で行われることがほとんどですが、今年の開催場所は琵琶湖。「平水面で乗るのと、波で乗るのはまた違います。琵琶湖は周りを山に囲まれているので風の変化が激しい。普段から琵琶湖で練習している地の利がある」と話します。
安田さんは自身の競技だけでなく、膳所高校ヨット班も指導しています。今年の国スポにも膳所高校から5人が出場。「全員が優勝も狙える」と期待します。
「風の強さが毎日違うので、今日うまく行ったことも、明日同じようにできるわけではなく、試行錯誤する楽しさもあり、頭を使う過程が好きな、膳所高校の生徒にセーリングは合っていると感じています。大人が言いすぎると考える機会を奪ってしまうので、どこまで言うかが顧問の腕も見せどころ。人に言われてやるよりも、自分で気付いて考えてやる方が得意な生徒が多い」と話します。
以前に京都の高校で指導していた時、女子2人乗りでインターハイ優勝を経験。「指導についてこれが正解だという感覚があった」という安田さん。しかし、翌年はインターハイ予選も通過できずに「同じ指導をしてもだめだ」と気づいたとのこと。「この生徒には何が必要か見極めて指導するようにしている」と話します。
滋賀県で開催する国スポに出場するために滋賀県の教員になった安田さんは、選手として出場するのは今年が最後と決めています。
2022年の7位から一つずつ順位を上げ、2024年の佐賀国スポでは5位入賞。「今年の目標は優勝」と意気込みを見せます。
取材・文=山中輝子