琵琶湖を切り口にした滋賀県版SDGs「Mother Lake Goals(MLGs)」。びわ湖大津経済新聞では、MLGsの目標を地域に根づかせ、学びの入り口をつくる役割を担う「MLGs案内人」を紹介します。
MLGsは、「琵琶湖」を切り口とした2030年の持続可能社会へ向けた目標(ゴール)です。13のゴールが設定されています。
MLGs案内人特集の3回目は、人と活動をつなぎ、水辺の未来を支える中間支援の担い手である北井香さんです。

まちづくりや環境活動に関わる人や団体をつなぐ役割を担っている北井さん。商業施設内に拠点を構える「まちづくりスポット大津」を拠点に、市民活動の相談対応やネットワークづくりを行いながら、川や水辺を軸とした取り組みを長年支えてきました。
北井さんがマネジャーを務める「まちづくりスポット大津」は、市民活動を支援する中間支援組織です。商業施設の中に設置され、誰でも気軽に立ち寄れる場所として運営されています。

活動の立ち上げ相談や課題整理、関係先の紹介に加え、講座やイベントの開催、団体同士の交流促進、情報発信やスペース活用の支援などを行っています。北井さんは「直接活動を行うのではなく、活動が続いていくための土台を整えることが役割です」と話します。
北井さんは「淡海の川づくりフォーラム」に初期から関わり、現在は実行委員長を務めています。川や水辺に関わる活動団体が集う公開選考方式のワークショップで、活動の発表と対話を通して学び合う場として続いてきました。

参加団体は短時間のプレゼンテーションを行い、選考委員が「いいところ探し」の視点で質問を重ねます。評価の過程も全て公開し、会場全体で活動の価値を見つけ合うのが特徴です。毎年12~15団体ほどが参加し、ベテランから新たな取り組みまで、幅広い活動が紹介されています。

北井さんがMLGs案内人として活動を始めたのは2022年。川づくりフォーラムとマザーレイクゴールズ(MLGs)の考え方を結びつけ、理念と現場をつなぐ役割を担っています。
フォーラムではMLGs案内人が選考委員として参加し、現場の活動にMLGsの視点を加えています。「理念だけでも、現場だけでも続きません。両方を行き来することで、次の動きが生まれます」と北井さん。
平和堂による環境活動助成「夏原グラント」の事務局業務も担っているまちづくりスポット大津。応募団体への相談対応や選考委員会の運営を通じ、活動の継続を支えています。

一方で、琵琶湖や河川分野の新規団体が減少している現状も見えてきました。北井さんは「制度を知ってもらい、挑戦しやすくすることが必要」と話し、MLGsのネットワークも生かしながら参加の裾野を広げる取り組みを進めています。
北井さんの活動の根底にあるのは、「つなぐことで前に進める」という考え方。商業施設という日常の場に市民活動の入り口をつくり、水辺の活動を評価し合う場を守り続けています。
「関心を持った人が、次の一歩を踏み出せるきっかけをつくりたい」。MLGs案内人として、中間支援の担い手として、北井さんは人と活動を結び続けています。
取材・文 山中輝子