草津で福祉訪問理美容師の講座 介護現場などへの訪問カットの後押しに

寝たきりなど状態に合わせた介助の方法を学ぶ

寝たきりなど状態に合わせた介助の方法を学ぶ

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 草津の長寿社会福祉センター(草津市笠山)で10月31日、高齢者や障がい者など、福祉に関わる現場での訪問美容・訪問理容をスムーズに行えるようにするための「福祉訪問理美容師養成講座」が開催された。

手の添え方など実践的な介助の知識も学んでいく

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「美容師の免許があれば訪問理美容はできる。しかし日々の介護現場で使われる用語はもちろん、まひや障害の状態を知った上での体位変換など、最低限のサポートを学ぶことが安全にカットなどを受けてもらうことにつながる」と、きれいや総研滋賀中央センター代表の久保美子さん。「お客さまが施術をしやすい環境づくりを学んでもらうことで、個々のケースに対応していけるようになっていく。寝たきりの状態でのカットやシャンプーも、クッションの挟み方などが分かると施術をすることができる」と話す。

 同講座では介護現場で介護職の人が使う専門用語のほか、リクライニングできる車いすの使い方や実践的な介助など、施術しやすい環境づくりを学ぶ。「現場のことを知らないことがどれだけ危険かを知ってほしい。車いすの扱い方一つでも、知っていることで事故やけがを防げる。公衆衛生や感染症予防もとても大事。聞くことは恥ずかしいことではないので、分からなかったら現場の人に聞くという姿勢を学んでほしい。こういう場では、しやすい失敗の改善や共有もできる」と講師の丑野公輔さん。

 理事長の田邊稔雄さんは美容師でもあり介護福祉士。「医療・介護の知識や技術と理・美容の知識と技術との融合が福祉理美容だと考えている。介護を必要とする高齢者や障がい者の方々に対して、普通に、当たり前に『きれい』をお届けできる環境をつくりたい。美容師の資格を持つ子育て中のお母さんにも、美容師の資格を生かしたこういう働き方があることを知ってほしい」と話す。

 今年4月の法改正により、今まで介護者のみが受けることができた訪問理美容を介護している家族も受けることができるようになるなど、現場でのニーズも高まっている。

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