新種のタニガワナマズの展示が9月8日、琵琶湖博物館(草津市下物町)で始まった。
ナマズ、イワトコナマズとタニガワナマズの違いを説明する田畑さん
タニガワナマズは同博物館の学芸技師、田畑諒一さんが発見し、北九州市立自然史・歴史博物館の日比野友亮学芸員と共同研究で論文を発表し、57年ぶりに新種として認められた。同館ではタニガワナマズ、ビワコオオナマズ、イワトコナマズ、ナマズの4種類を特別展示している。初日は、延べ1651人が来場した。
タニガワナマズは三重、愛知、岐阜、静岡、長野各県での生息が確認され、琵琶湖の固有種であるイワトコナマズとよく似ている。田畑さんは「120万年前に鈴鹿山脈が隆起した後、三重県側にいたナマズがタニガワナマズに進化し、琵琶湖側のナマズがイワトコナマズに進化した。生息環境によって別の進化を遂げた」と話す。
タニガワナマズは池や湖より流れの速い河川の中・上流に生息し、細長い体をしている。イワトコナマズは琵琶湖の岩場に生息し、視野を広くするために目が横に飛び出ている。ほかのナマズに比べて尾側が広く、長い距離を泳ぐのに適した体をしている。田畑さんは「日本に生息する4種のナマズを同時に展示するのはおそらく世界初。進化の歴史も分かるように展示しているので見てほしい」と呼び掛ける。
開館時間は9時30分~17時。月曜休館。観覧料は、大人=750円、大学・高校生=400円、中学生以下無料。11月25日まで。