2003年世界陸上競技選手権大会のマラソンで銅メダルを獲得した千葉真子さんの特別ランニング教室が11月29日、草津市立老上小学校グラウンド(草津市野路町)で開催された。主催は草津総合病院(草津市矢橋町)と丸栄産業(京都市西京区)。
同院では地域貢献のために2~3年に一度、スポーツ選手を講師に招き、講演会を開催している。千葉さんは同日に開催された講演会の後、地元の老上中学校陸上部員にランニングを指導した。院長の平野正満さんは「病院が中心となって、元気や力を与えられるような講演を実施してきた。老上中学校は陸上部員も多く、直接指導していただくことで、さらなるスキルアップをしてほしいと思いランニング教室を実施した」と話す。
1、2年の陸上部員52人が参加し、体操とウオーミングアップ、ランニングの後、1000メートルのタイムトライアルをした。千葉さんは「中学ではテニス部に所属していたが、3年の夏に引退後、助っ人で駅伝大会に出場し、走ることが得意だと気づいた。好きなスポーツと向いているスポーツが違うこともあるので、今は、どの競技と決めずにいろいろチャレンジしてみるのもいい。高校で陸上を始めて、1年のときはレギュラーに入れなかった。目の前の小さな目標をクリアしていくことで、気がついたらレギュラーになり、オリンピックに出場できた。気分が乗らない時、逃げ出したい時、目の前の小さな目標を心から信じて、コツコツ頑張ってほしい」と中学生に向け話した。
千葉さんは、タイムトライアルの前に「長距離走の3つの裏技を教えるので、それを意識してほしい。1つ目は姿勢をよくすること。腕を背中に添えると丸まらず、いい姿勢になる。2つ目は腕を上手に使うこと。長距離の場合は、腕の力を抜いてリラックスして、リズムを取るといい。3つ目は苦しくなったら、息を吸うのではなく、まず吐き出すこと」とアドバイス。トライアル中も走っている生徒に「姿勢を保って」「軸がぶれているんじゃないかな?」「イメージしながら」などと声を掛けた。
ランニング教室の後は、千葉さんが世界陸上で獲得した団体金メダルと個人銅メダルを生徒に渡し、一人一人の名前を呼んで握手する場面も。
2年生の有松秀明くんは「走る時に姿勢が丸まるので、教えてもらったように、背中に腕を添えて、正しい姿勢で走れるようにしたい」と話した。
同じく2年生の今村理紗さんは「中・長距離をしているが、あまり速い方ではないので、もっと努力して、教えてもらったことを実践して、これからも頑張りたい」と話した。
陸上部顧問の墨田千真先生は「千葉さんと一緒にランニングできてうれしかった。千葉さんのお話を聞いて、専門以外の種目にも向いている生徒がいるかもしれないので、短距離・長距離・投擲などの垣根を越えて、挑戦してもらおうと思った」と話した。