中高生の「やんちゃたち」の居場所「やんちゃ寺」が6月1日、遍照寺(草津市草津)で始まった。
中学生から20歳ぐらいまでの居場所がないと感じる若者にスペースを開放。若者はスタッフと共にボードゲームなどをして交流する。理事長の佐藤すみれさんは臨床心理士として働く中で、民間による青少年の支援が必要だと感じ、「やんちゃ寺」を立ち上げた。
佐藤さん自身も高校時代に髪を金色に染め、毎晩外出する生活を送っていた。「学校も行かず、両親の不仲や小学校の頃から通っていた卓球クラブの閉鎖で全ての居場所がなくなったときに、金髪や化粧で武装しないとどうしようもなかった」と振り返る。「学校では評価される能力が画一的で、劣等感を感じやすいが、別の場所では『なかなかいい自分』に出会えるかもしれない。多様な居場所があればあるほど、自己肯定感のバリエーションが増えるので、子どもがありのままの自分でいられる居場所を作ろうと思った」と話す。
「子どもたちには学校で『駄目な自分』だったとしても、『世界中どこに行っても駄目な自分』ではないことを知り、自分が自分でいても社会の役に立てるという実感を得てほしい」と、子どもがアクセサリー作りやLINEスタンプなど好きなことを生かして活動費を自分で作る体験も計画している。「自発的な行動で成功体験を積み重ね、『勉強で自己肯定感を高める』以外の道がたくさんあることを感じてもらいたい」と話す。
佐藤さんは「やんちゃ寺という場所があることが重要なのではなく、そこに誰がいるかが大切。私をはじめ、職種も性格も多様なスタッフが集まっている。スタッフと交流する中で、いろんな人がいて世界は広いのだと感じてもらえたら。等身大の自分で気軽に来てほしい」と呼び掛ける。
年間200万円かかる経費はクラウドファンディングで調達する予定。佐藤さんは「資金としてのご協力だけでなく、やんちゃ寺に気軽に遊びに来てもらえれば」と話す。
開催は毎月第1・3・5土曜。開催時間は14時~16時。参加無料。