「日本アニメーション美術の創造者・山本二三(にぞう)展」が4月4日、佐川美術館(守山市水保町)で開催される。
「天空の城ラピュタ」「火垂るの墓」「もののけ姫」「時をかける少女」などの美術監督を務めた山本二三さんの手描きの背景画、スケッチ、イメージボードなど初期から最新作まで約230点を展示する。「天空の城ラピュタ」の城や「もののけ姫」の「シシ神の森」など緻密に描かれた背景画が物語にリアリズムを生み、特に山本さんの描く雲は「二三雲」と呼ばれ、背景の一部を構成するだけでなく、「時をかける少女」では空と雲の表現が主人公・真琴の気持ちを巧みに表していると評価されている。
山本さんの描き下ろしの新作「卯月の琵琶湖」も特別公開。守山市の琵琶湖岸から琵琶湖大橋、対岸の比良山系を望む風景画で佐川美術館限定の作品となる。
4月4日には山本さんのトークショーとサイン会を実施する。5日は山本さんが背景画を描くデモンストレーションも。
同館の担当者は「記憶に残るアニメーションの名シーンには全ての技術の結晶が詰め込まれている。その中の重要なポストとして背景画が存在し、私たちの脳裏に忘れられない情景を植え付ける。名作アニメの名シーンを支え、物語の世界に説得力を与えてきた背景画の魅力を感じてほしい」と呼び掛ける。