琵琶湖汽船(大津市浜大津)が5月30日、竹生島クルーズの運航を再開した。
新型コロナウイルスの影響で4月23日から全クルーズを運休していたが、竹生島には宝厳寺と都久夫須麻(つくぶすま)神社があり、宝厳寺の観世音菩薩は西国三十三カ所観音霊場の第三十番札所として毎月参拝する人もいることから、竹生島クルーズの長浜航路のみ再開した。
宝厳寺の国宝「唐門」は2013(平成25)年から修復工事をし、5月に完了。唐門、観音堂、舟廊下(渡廊)の檜皮屋根の全面葺き替え、彩色・漆塗りの塗り直し、飾り金具のメッキ仕上げをした。琵琶湖汽船広報担当の森香子さんは「船が止まっていたので、美しく彩色された唐門をご覧いただく機会がなかったが、再開することでやっと見ていただける」と話す。
感染予防対策として事前予約制にし、乗船客数を定員の約4割までに制限する。検温、手指消毒、清掃、ソーシャルディスタンスの確保、スタッフの健康管理などを徹底し、乗客にはマスクの着用をお願いする。
森さんは「再びお客さまをお迎えできるようになってうれしい。完全復旧まではもう少し時間がかかるが、お客さまとスタッフの安全安心を第一に、一歩ずつ前に進みたい」と話す。
運行時間は9時と11時30分。竹生島クルーズの今津航路、ミシガンクルーズなどほかのクルーズの再開は未定。