オンラインで宴会をする事業「Coronana Party(コロナナパーティー)」の運用が1月20日、滋賀県で始まった。
滋賀県中小企業家同友会の「新しい地図を描く研究会」が、新型コロナウイルス感染拡大により大きなダメージを受けた飲食店を支援するために始めた事業。オンライン会議システムZoomを使用し、懇親会や結婚パーティーを運営するもので、進行、撮影機材、余興などを専門スタッフが請け負う。
同会は「仲間の企業を一社もつぶさない」をスローガンに、飲食店の中でも特にダメージを受けている団体客向けにサービスを展開していた事業者のため、昨年5月に研究会を立ち上げた。宴会を中心としている飲食店が既存顧客にPRできるように、オンラインでパーティーを実施する方法を考えた。「オンライン飲み会では話が続かない」「ウェブ配信は高額」といった悩みを解決するため、宴会ごとにゲームやパフォーマーを提案し、自前のパソコンやスマートフォンを使い最低限の設備でオンライン配信ができるようにした。
宴会運営は外部の専門スタッフに業務を発注し、パーティーのプログラム内容の提案、進行台本作成、本番進行、撮影機材、音声機材、照明などを準備する。希望者には司会者、マジシャンなどのパフォーマーを紹介する。飲食店から料理を宅配し、参加者は自宅などからZoomで参加する。運営を外部で請け負うことで、宴会需要の落ち込んでいる飲食店が設備投資などをせずにオンラインで宴会を行えるようにした。
同会の井之口哲也さんは「コロナ禍で人と人とのコミュニケーションが制限され、つながりが分断されていく中、オンラインで安心してコミュニケーションを取ってもらい、コロナ禍でもパーティーを楽しんでいいのだという思いを込めて『コロナナパーティー』と名付けた。懇親会と結婚パーティーで導入し実験をしたところ、『仲間内でやるオンライン飲み会とは違い、参加者全員が参加できる構成で皆が楽しめた』との声があり、手応えを感じた」と話す。
「企業は懇親会を中止せざるをえず、社内の親睦やチーム作りができないという課題が出てきた。ウェブを通じてリアルに対面するくらいの懇親会ができれば、困り事を解決できる。料理を飲食店から参加者へ配達し、同じ料理を食べながらウェブでつながる。ただつながっているだけではなく、そこにコミュニケーションを促す工夫をするだけで、リアルに懇親会をする雰囲気をつくることができる」とも。「集まりたいけど集まれない、ウェブ会議は使えるけど飲み会はどうすればいいか分からない、という困り事を解決するパッケージ。飲食業の皆さんの有力なツールにしていただきたい」と呼び掛ける。
問い合わせは滋賀県中小企業家同友会事務局(TEL 077-561-5333)まで。