Bリーグ1部の滋賀レイクスターズは2月13日・14日にYMITアリーナ(草津市野村)で開催された2020-21シーズン第22節で琉球ゴールデンキングス2連敗した。滋賀は13勝24敗で西地区6位。
ディフェンスだけでなく積極的にオフェンスにも絡んだ今川友哲選手
13日、滋賀はシュートを打つも決まらず、1クオーター(Q)のフィールドゴールは17本中2本のみで、1Qの滋賀の得点は8点。琉球は日本代表にも選ばれた今村佳太選手が高確率で3ポイント(P)シュートを決め、8-20と大きくリードされる。2Qは琉球の攻撃を抑えるも、1Qの点差が響き、21-34で折り返す。
3Qは琉球の攻撃を抑えることができず、ドウェイン・エバンス選手に3Qだけで11点奪われる。今村選手にも3Pを2本沈められ、3Qは34失点。4Q、村上駿斗選手のスチールから前田怜緒選手が得点するなど若手が躍動し、ジョーダン・ハミルトン選手が12得点で追い上げるも、3Qの得点差が響き、67-86で敗戦した。
14日は、大腿後面の筋肉(ハムストリング)のコンディション不足のため、滋賀の得点源のハミルトン選手が欠場した。ショーン・デニスヘッドコーチは「まったくプレーできないというわけではなかったが、前節のバス移動での体の負担もあり、今日無理にプレーをして1カ月以上出場できなくなるようなことを避けたかった」と説明した。
ジョナサン・オクテウス選手が初めて先発出場。今川友哲選手が開幕戦以来の先発出場となった。1Q、滋賀は高い集中力を見せ、全員で厳しいディフェンス。今川選手が琉球の2メートルを超す外国籍選手相手にゴール下で体を張り、晴山ケビン選手がルーズボールへの執念を見せる。狩俣昌也選手、晴山選手の3Pが連続で決まり、滋賀がリードするも、1Q終了間際にターンオーバーから今村選手に得点され、追い付かれ、16-16の同点で2Qへ。滋賀の特別指定選手で筑波大学4年の野本大智選手が3Pを決め、大学の先輩、琉球の牧隼利選手のシュートをブロック。さらにディフェンスリバウンドに飛び込むなどファイトを見せる。オクテウス選手を中心に得点する滋賀に対し、琉球の田代直希選手が3Pを決め、互角の戦いに。37-35と滋賀が2点リードして前半を終える。
3Q序盤はシーソーゲームとなるも、残り5分から3分の間に滋賀がスローインからのミスを連発。滋賀がスローインするときの琉球のプレッシャーが強く、滋賀のポゼッションになるはずのボールを琉球に渡してしまい、連続で得点され、48-58の10点差に。前田選手、オクテウス選手の得点で点差を詰めるも、52-60とリードされて最終Qへ。
4Q開始早々、今川選手が琉球のジャック・クーリー選手からファウルドローン。4つ目のファウルとなったクーリー選手はベンチに下がる。フリースローを2本とも決め、54-60の6点差。しかし、この日は3Pを落としていた今村選手に3Pを決められ、9点差に。滋賀は琉球の外国籍選手に対して今川選手や頓宮裕人選手がゴール下で競り合うも、ファウルとなってしまう場面が多く、クーリー選手に4Qだけで6本のフリースローを与えてしまう。狩俣選手と晴山選手で激しくディフェンスし、ボールを奪うなど最後まで勝利への執念を見せるが、68-83で敗戦した。
デニスヘッドコーチは「今日の選手たちのパフォーマンスを誇りに思う。選手たちの気持ちが素晴らしかった。昨日の試合はシューティングのところで差が付いた(フィールドゴール確率滋賀36.4%に対して琉球52.5%)が、今日の試合は選手たちのパフォーマンスや真剣さは、申し分ないくらいよくやってくれていた」とハミルトン選手が欠場する中、戦う姿勢を見せた選手を評価した。勝敗を分けたポイントについては「ポゼッションゲームのところで62点スコアされている」と、ターンオーバーから34点、セカンドチャンスから28点取られていることを指摘した。滋賀はターンオーバーから13点、セカンドチャンスから6点しか得点できなかった。「ポゼッションゲームで、どれだけ自分のボールにしたいか、気持ちの強さが強い方が勝った」と話した。土曜の試合と違い、琉球のフィールドゴール確率を38.9%に抑えられたことについては「シュートの数も相手が20本近く多く打っている中、15点差で試合を終えられたのは選手の頑張り」と評価した。
ゴール下で外国籍選手と競り合い、試合に貢献した今川選手と頓宮選手については「今持っている力を最大限に発揮してくれた。キャリアの中でも今日はプレータイムが長く、いい経験になった。ここから彼らがどう成長してくれるかだと思う。リバウンドは空中では勝てないので、ポジション取りで勝てるかが重要になってくる。そこにフォーカスして上達して、もっと貢献度を高められる選手に成長してほしい。コーチの立場から見て、今日の彼らのパフォーマンスには満足している」と高く評価した。
35分以上出場し、27得点のオクテウス選手は「(ハミルトン選手が欠場という)そんな状況でも試合はやってくるので、この試合を戦わないといけないと準備するだけだった。チームとしては誰かが欠けた時に 『Next man up』という言葉を使っているが、違う選手がしっかりとステップアップしてやらないといけない。今日は自分がしっかりリードしてやらないといけないなという気持ちで試合に入った」と振り返った。
今川選手は「ディフェンスの面では、前半は特に簡単なミスをやってしまった。僕のところでできたミスで点を取られたり崩されたりしているところがあった。その中でも、外国籍選手とミスマッチになってしまう中でも戦えた部分もあったから前半の点差が少なかったと思うので、ネガティブだけでなくポジティブにも捉えていきたい。良かった点は、ミスマッチを止めるためのチームでの戦略の面で、遂行できた回数が多かった。でも、琉球はちょっとしたミスでも点を決めてくる。プレータイムをもらえて、1%のエラーから点を取られるというのを経験することができた」と話した。今までは試合中、フリーでボールをもらってもシュートを打たない場面が目立っていたが、「コートに立つ以上、リングを見てやるのが選手だと思い、今日はリングを見てやった。いい方につながれば点数にもつながるし、いいリズムにもなる」と話した。
ハミルトン選手が欠場することは「今朝の試合前のミーティングで欠場という話が出てきて、びっくりした」とのこと。突然転がってきたチャンスを生かし、今後の成長につながる試合となった。