京都外国語大学(京都市右京区)が3月29日、コラボしが21(大津市打出浜)で大津市観光プロモーション動画の制作発表会を開いた。
同大学の国際貢献学部グローバル観光学科の学生が地域社会の課題解決に取り組む「コミュニティエンゲージメントプログラム」の一環。年度は新型コロナウイルスの影響で海外実習はなくなり、滋賀県の観光をテーマに動画を制作した。
2月から制作に取り掛かる予定だったが、京都府に緊急事態宣言が発令されたことから延期し、3月8日に授業を始めた。ツーリズムアカデミア(大阪市)の協力を得てドローンの操作方法や動画の編集方法を学び、SNSなどで取材先を探し、3月中旬に大津市内で撮影。編集した動画を発表した。発表会には滋賀県観光振興局やびわこビジターズビューロー、びわ湖大津観光協会の担当者も出席した。
3班に分かれて50秒から5分の動画を制作。A班は同世代の女性をターゲットに3種類の動画を作った。50秒の動画を制作した上田芽生さんは「ティックトックを意識した短い動画にして、あえて場所を詳しく紹介しないことで、大津というワードで検索してもらうことが狙い」と話した。
B班は京阪大津線の1日乗車券を使って大津市内を観光する初心者向けツアー動画を制作。関西圏の学生に日帰りで大津観光ができることをアピールした。樋口愛華さんは「大阪に住んでいて、大津は遠いイメージだったが、交通の便もよく日帰りできることを知った」と話す。
C班は映画をイメージしたタイトル画像から始まり、女性がパソコンで検索してから観光に行くというストーリー仕立ての動画に仕上げた。山田真菜さんは「インスタグラムで大津カフェ、大津ランチで検索した。写真だけを見て実際に行くと、ここにあったのかと驚くような場所にあった」と振り返る。
グローバル観光学科の教授、廣岡裕一さんは「学生が作った動画を観光プロモーションに活用していただければうれしい。動画としての完成度はまだまだだが、学生たちはこういうところに注目する、こんな視点でまちを見るということを知っていただければ、お役に立てるのではないか」と話した。
事前学習や資料提供などの協力をしたびわこビジターズビューローの香月義之さんは「学生が作った映像は距離感が近く、新しい発見があった」と評価した。