Bリーグ1部の滋賀レイクスターズは5月5日にウカルちゃんアリーナ(大津市におの浜)で開催された2020-21シーズン第30節(3月31日より延期)でシーホース三河と対戦した。
「チームにしっかりと向き合った。いい経験だった」とシーズンを振り返る狩俣選手
滋賀レイクスターズにとって最終戦となった試合は、ジョーダン・ハミルトン選手が三河ボールを奪い、速攻からシュートを決めるなど、高さで勝る三河相手に粘り強いディフェンスから得点を重ね、40-38と2点リードで前半を終える。3クオーターに三河に逆転されると、流れを滋賀に戻すことができず、69-82で敗戦した。最終戦を出場全員得点で締めくくった。
試合終了後、全選手が会場の観客にメッセージを送った。2年契約で来季も滋賀でプレーする村上駿斗選手は「この滋賀レイクスターズで、ショーンヘッドコーチの下、1シーズンとてもいい経験ができた。課題もたくさん見つかったので、来シーズンに向けて準備をしていきたい」と意気込みを見せた。千葉ジェッツからの期限付き移籍し滋賀でプレーした晴山ケビン選手は「今はいないが、2番(ウィル・クリークモア選手)、15番(谷口光貴選手)のユニホームを着てくれる人がいるということを誇りに思っている。滋賀を大好きになった」と話した。
特別指定選手として滋賀に加入した野本大智選手は「Bリーガーとしての第一歩をこのチームで踏み出せたことを本当にうれしく思う」と感謝を述べた。前田怜緒選手は「昨シーズンは中止してしまい、悔しいシーズンだったが、今シーズンはホーム30試合全て開催することができて、勝率は少なかったが、皆さんの温かい応援が力になった。この経験を次に生かしたい」と話した。
オフコートキャプテンの伊藤大司選手は「安心して生活できているのも、試合できているのも、医療従事者の皆さまの力があってこそ。心から感謝している。今シーズン、ホームであまり勝つことができなかったが、最後まで応援していただいてありがとうございます。特別なシーズンになった」と医療従事者とファンへ感謝の言葉を送った。
キャプテンの狩俣昌也選手は「もう少し勝ちたかった。皆さんともう少し喜びを分かち合いたかった。もう少しだけ長くシーズンを戦いたかった。こういう気持ちになれるのもファンの皆さんやサポートしてくれている関係者の皆さんの熱い声援と厚いサポートがあったから」と話した。
昨シーズンの主力選手が大量に流出し、経営体制も変わった中で迎えた2020-21シーズン。新型コロナウイルスの影響で1試合が中止となったが、滋賀はホーム戦30試合を全て開催することができた。23勝36敗で、試合終了時点で滋賀は西地区10チーム中6位。7位の信州ブレイブウォリアーズが代替試合2試合を残すため、最終順位は未定。
ショーン・デニスヘッドコーチは23勝したことについて「B1レベルを初めて経験する選手が多い中、このメンバーで大きな目標を達成できた」と話した。
ハミルトン選手は「今日はできること、持っているもの全てを出して戦い抜くしかなかった。このメンバー、このチームは持っているものを全て出して最後まで戦うというのがチームのカラーになったのではないか。今度、大きなクラブに成長できるきっかけになればいい。ここまで達成するとはだれも思っていなかったが、勝てると証明できたシーズンだった」と話した。
狩俣選手は「新しいメンバーが入り、昨シーズンから継続している文化を伝えないといけなくて、すごく悩んだ。自分たちのやりたいバスケットができるか、若い選手がどうやったら伸びるかを考えさせられたシーズンだった。振り返っても大変だったが、チームに対してしっかり向き合ったと胸を張って言える。いいことも悪いこともいい経験だった。いろんなことを学ばせていただいた。勝ち負けもあるが、人として感じることもあったので、それがよかった」と今シーズンを振り返った。
狩俣選手はBリーグキャリアハイを3度更新し、1試合平均8.0得点、3ポイントシュート96本成功と、Bリーグ開幕後最高の成績を残し、「まだまだうまくなっていると感じている。もっとうまくなれるという手応えも感じた。」と自身の成長を感じたシーズンとなった。「ハードに戦ったという自信がある。体もメンタルもやれることはやった。駄目になりそうな時もあったが、それでも最後までやり切ったという気持ちがある」と話した。