コワーキングスペース「今プラス元布団屋さんの倉庫店」が4月28日、守山市梅田町にオープンした。運営はホームページ制作会社の「ジャパニーズ」(湖南市)。
「今プラス元歯医者さん店」(湖南市)に続く2店舗目。社長の中野龍馬さんは「2店舗目を探す中で、守山市が『起業のまち』として起業家の応援をしていることを知り、市役所から紹介してもらったのが布団屋の倉庫だった。水道もなく、使われていない布団が大量に置いてある倉庫を見て、『面白い』と感じ、ここを2店舗目にしようと思った」と振り返る。
倉庫の掃除から始め、基礎を作り、水道を引き、さびを取ってペンキを塗り、リフォームをした。設計や現場監督、電気・水道工事などはプロに任せたが、作業は全て自分たちで行い、作業の様子をSNSで配信した。中野さんは「最初は掃除ばかりで、いつ終わるのかと途方に暮れたこともあったが、SNSで配信することで今まで関わりのなかった人も手伝いに来てくれた」と喜ぶ。高校生から40代まで、延べ100人ほどが手伝い、半年かけて完成した。中野さんは「自分たちの手で作ったので愛着がある。時間をかけて人を巻き込んで作ることができた。コワーキングスペース自体が滋賀の人にあまり知られていないが、知ってもらうきっかけにもなった」と話す。
1階にはキッチン付きのコミュニティールームと、ウェブ会議ができる個室、和室で仕事ができるスペースがある。2階にはモニターのあるフリースペースと、半個室のシェアオフィス20席を設置した。1階は会話をしてもいいが、2階は会話禁止にした。中野さんは「シェアオフィスに行っても誰とも話すことができなかったという声を聞き、会話できる場所を分けることにした。集中したい人は2階に行き、誰かと話したい人は1階を利用してもらえれば」と呼び掛ける。
高校生の時に「元歯医者さん店」で受験勉強をしていた馬場伶真さんは、「元布団屋さんの倉庫店」で起業することを決めた。今春から龍谷大学経営学部に通う馬場さんは「高校3年の時、家では甘えてしまうので今プラスで勉強をしていた。中学生の頃から経営者になりたいと思っていて、中野さんに起業について相談し、それまでは漠然と『経営者に』と思っていた将来のことを真剣に考えるようになった。早い方が失敗してもいい経験になると思い、今月開業届を提出することに決めた」と話す。大学のオンライン授業と対面授業の合間を縫って今プラスに通い、起業の準備をしているという。
6月からは「元布団屋さんの倉庫店」で中学生から大人対象のプログラミングスクールを開校する。中野さんは「子ども向けのロボット教室ではなく、ホームページ制作会社の現役のプログラマーが実務を教える。学んだ後に起業できるようなスキルを身に付けてもらいたい。『起業のまち』である守山市で、学生の起業や副業などいろいろな形の起業ができる場所になりたい」と意気込みを見せる。
会員の利用時間は6時~22時。ドロップイン利用は平日9時~18時。