野洲市が4月1日、スマートフォン用障害者手帳アプリ「ミライロID」を導入した。
障害者手帳をスマートフォンで撮影し登録し、画面を提示することで手帳の代わりに利用することができるアプリで、鉄道160社、バス301社、レジャー施設1041社などが導入している。4月1日現在、127の自治体が導入しており、滋賀県では甲賀市に続き2例目の導入となる。
野洲市総合体育館、健康スポーツセンター「サンネス」のプール、銅鐸博物館などでミライロIDを提示すると割引が受けられるほか、野洲市のコミュニティーバス「おのりやす」の運賃も割引になる。
ミライロ(大阪市淀川区)の垣内俊哉社長は障がいがあり、母親が障害者手帳を提示する時、「すみません、障害者手帳あります」と言っていたことから、「もし、『ポイントカードあります』のように気楽に伝えられるようになれば、心理的負担が軽減されるかもしれない」と2019年7月に障害者手帳アプリ「ミライロID」をリリースした。配慮してほしい内容なども登録できる。
野洲市障がい者自立支援課の山中直人さんは「JRや近江鉄道バスでも導入され、市民からミライロIDを使えないかという問い合わせや、バスの運転手にミライロIDについて直接聞いてこられる人がいて、導入を検討し始めた」と振り返る。
山中さんは「障害者手帳を見せることに抵抗がある人や、お子さんと手をつないだまま提示したい保護者など、スマートフォンのアプリを見せるミライロIDなら、プライバシーを守り、利便性も上がる。市内の事業者でも導入が進み、飲食店などでも使えるようになると、もっと暮らしやすい社会になると思う」と話した。