境内に2000個の風車を奉納する「サクラと青もみじとかざぐるま参道通り抜け」が3月26日、西教寺(大津市坂本)で始まった。
本堂前の参道に設置したやぐらの側面に風車を取り付け、天井部分から短冊をつるした。風が吹くと風車が回り、短冊が揺らめき、光を浴びて色が変化する。本堂前以外にも大本坊の庭園や参道、地蔵の前などに風車を設置した。
4月6日現在、境内の200本の桜が見頃となり、桜と風車の写真を撮影しようと参拝客がカメラを構える姿も見られた。桜は4月中旬までが見頃で、4月下旬からはモミジが新緑の時期を迎え、青モミジと風車の風景を見ることができる。
同寺主事補の前阪良樹さんは「日本では7人に1人の子どもが貧困の状況にあるといわれている。地元の大津市で子どもが加害者と被害者になる痛ましい事件もあった。ウクライナで子どもが戦争に巻き込まれている姿も日々報道されている。子どもたちがどうか健やかに育ってほしいとの願いを込めて、風車を奉納し、祈願法要を行った」と話す。
「昔から子どもの玩具の象徴であり、勢いよく回る様子を元気な子どもの姿に見立てた。風車は風がないと回らない。家族や地域の大人が、子どもが元気になるように風を吹かせてもらいたいとの思いも込めた」とも。
「子どもたちの置かれている状況を改善するために、大人たちが意識を高める必要があるが、押し付けることなく、風車のある境内をお参りするときに、なぜ風車なのかと関心を持ってもらい、頭の片隅に置いてもらえたら」と期待を寄せる。
風車作りの体験や期間限定の「かざぐるま特別印」の朱印も実施する。売り上げと拝観料の一部、境内で募った寄付金を滋賀県社会福祉協議会のはぐくみ基金に寄付する。
拝観時間は9時~17時。拝観料は大人=500円、中学生=300円、小学生=200円。4月29日~5月8日は小学生以下無料。6月12日まで。