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立命館大の学生起業家が離乳食相談サービス 「一緒に育児をするバディーに」

FoodFulの柳さんと作野さん

FoodFulの柳さんと作野さん

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 立命館大学の学生起業家が5月20日、離乳食のオンライン無料相談「childish(チルディッシュ)」のサービスを開始した。

離乳食オンライン無料相談「childish」の画面を見せる柳さんと作野さん

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 同大食マネジメント学部(食マネ)3年の柳陽菜さんと作野充さんが3月14日に起業した「FoodFul(フードフル)」が提供するサービス。子育て中の母親、父親が、メッセージアプリ「LINE」の公式アカウントで専門家に離乳食について相談できる。管理栄養士の吉澤みなみさんや、保育士、離乳食アドバイザー、「先輩ママ・パパ」が専門家(バディー)として質問に答える。それぞれが相談可能時間を設定しており、24時間の対応を目指している。現在、育児中の母親・父親60人が利用登録している。

 「料金を気にせず、気軽に相談してほしい」との思いから利用は無料。今後、企業からの支援を受ける仕組みをつくる予定。

 食べることは好きだが、野菜が苦手だという柳さんが「野菜嫌いの子どもをなくしたい」と始めた。柳さんは「苦手なものは無理に食べなくてもいいから、食べることを好きでいてほしいという教育方針の家庭で育てられ、食べることが大好きになり、食に関わりたいと食マネに進学した。食べることが好きになったことに感謝しているが、野菜が食べられないことを後悔している。自身の経験から、親の食に対する意識を高めることが必要だと感じた」と、8月に離乳食に関するサービスを立ち上げることを決めた。

 同じように食育について問題意識を抱いていた作野さんと協力し、立命館大の起業・事業化支援プログラム「RIMIX」を活用。立命館学園の学生・生徒らが社会課題を解決するための起業アイデアを総長や投資家に直接提案するコンテスト「総長PITCH THE FINAL」に出場した。

 当初は、離乳食を作って売ることやアプリの開発なども計画していたが、スタートは離乳食相談のみに絞った。柳さんは「コンテストで発表するのは簡単だが、実際には同時に多くのサービスを始動するのは難しいと感じた。ゆくゆくは離乳食メーカーと協力して商品開発をしたい」と話す。

 20日にサービスを開始し、2日後に初めての相談が来たという。柳さんは「1人目の相談を見た時に、人の役に立てて、ちょっとでも食卓に笑顔が増えたのだと思って感動した」と振り返る。

 作野さんは「ここまでは思いに共感してくれる人たちに支えられて来ることができたが、会社として、より多くの人に届けるために企業への営業などをしていきたい。これからのほうが大変だと思う」と話す。

 柳さんは「専門家は遠い存在ではなく、ママ友のように寄り添い、一緒に子育てをするバディーとしての役割を果たしてもらいたい。今後は、妊娠中、授乳期、幼児食期と幅を広げていきたい」と意気込む。

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