約16年間京都で営業していた「Cafe Jinta(カフェジンタ)」が6月17日、大津市瀬田に移転オープンした。
カフェジンタは2006(平成18)に京都市左京区岩倉で創業。2008(平成20)年に烏丸三条に移転し、14年間営業していた。5月に烏丸三条の店を閉め、瀬田川沿いの古民家に移転した。
移転のきっかけは新型コロナウイルス。店主の小野仁士さんは「大手企業が一斉にテレワークになり、ビジネス街の烏丸三条から人が消えた」と振り返る。店頭を通りかかる人の獲得が難しくなり、ネットでの集客に力を入れ始めた。「ターゲットをオフィスワーカーから、カフェを楽しみたい人に変え、家を出る前から『このカフェに行こう』と思ってもらえるような取り組みをした結果、京都市内でなくてもいいのではないか」と考え、移転先を探し始めた。
空き店舗となっていた瀬田川沿いの古民家に出合い、「家からも近く、店前の道の車通りが多い」と瀬田への移転を決めた。小野さんの狙い通り、店前の「夕照の道」は通勤時間帯に渋滞をして、車がゆっくりと進むことから、工事中から「何ができるのか」と興味を持つ人が多く、「オープン前の宣伝」にもなった。
現在はランチタイムのみの営業で、チキンカレー、ハンバーグなどのメインと、ご飯、サラダ、副菜をワンプレートにのせたランチを提供している。小野さんがIT企業でセールスエンジニアをしていた経験を生かし、モバイルオーダーのシステムを導入。メイン、トッピングなどを選べる。
小野さん自身が糖質制限をしたことで体調が良くなったことから、「糖質オプション」を設定した。ご飯を減らしてサラダ増量や、ご飯、ポテトサラダなどの糖質をなくしてゆで卵とサラダを増量するなど糖質のバランスを選べる。
小野さんは「食事を提供する仕事をしている者として、食べた人に健康への入り口に立ってもらいたいという思いがある。カフェは、時間・空間・食事で人をつくる場所でもある。提供したものがお客さんの細胞になると思うと、やりがいを感じる。たくさんの人に健康になってもらいたい」と話す。
営業時間は11時30分~17時。