Bリーグ1部の滋賀レイクスが12月10日・11日、滋賀ダイハツアリーナ(大津市上田上中野町)で開催された2022-23シーズン第10節でシーホース三河と対戦した。
新アリーナ初得点は、川真田選手のプロキャリア初の3ポイントシュート
今月1日にオープンした新しいアリーナでの初開催となった10日は、けが人が多い滋賀は11人での総力戦となった。先発出場した204センチの「日本人ビッグマン」川真田紘也選手が試合開始35秒で3ポイント(P)シュートを決め、新アリーナ初得点。1クオーター(Q)残り5分56秒にも3Pシュートを沈めた川真田選手は三河のダバンテ・ガードナー選手を抑えるなどディフェンスでも活躍した。
三河のシュートが外れる中、滋賀は狩野祐介選手、星野京介選手が効率よく3Pシュートを決め、18-12とリードした1Q残り12秒、8日に選手契約した草津市出身の金本一真選手が初出場。地元出身の選手の初出場に会場からは大きな拍手が送られた。金本選手は「緊張して頭が真っ白で、その時は拍手が聞こえていなかったが、後で見返して、地元の人が応援してくれているのだと感じた」と振り返った。
2Q、2連続でテレンス・キング選手が三河からボールを奪い、ケルヴィン・マーティン選手がダンクを決める。保田尭之ヘッドコーチ代行は「ディフェンスのポジション取りが機能していたからこそ取れたスチール」と振り返る。その後も、ディフレクション(ディフェンスの選手がドリブルやパスのボールに触ることで、ボールの軌道を変える)で三河の24秒バイオレーション(オフェンスチームが24秒以内にシュートしてボールをリングに当てないと相手チームに攻撃権が移る)を誘うなど、強いディフェンスで三河の得点を抑える。
36-27とリードして迎えた3Q。前半リードしていても3Qで相手に流れをつかまれ、逆転負けをすることが多い今季の滋賀。この日も連続で得点され、三河ペースになりかけるも、マーティン選手を中心に点を取り、何とかリードを守る。保田コーチは「ミスした後のポゼッションで正しく改善できたからだと思う。40分間の中でどれだけミスを減らせるかというのがバスケットだと思うので、いち早く自分たちからミスを取り除くことができたのが大きかった」と話す。
4Q、川真田選手がリバウンドに絡む活躍を見せる。三河の中村太一選手の連続3Pシュートで58-58の同点にされるも、狩野選手、柏倉哲平選手の3Pシュートでリードを奪い返す。三河の西田選手に連続で得点され、試合時間残り32.9秒、またも中村選手の得点で67-67の同点に追い付かれる。
三河の攻撃を川真田選手のブロックショットとリバウンドでしのぎ、残り時間4秒。マーティン選手のシュートが外れるも、デイビッド・ドブラス選手が押し込み、69-67で勝利した。
新アリーナでの勝利にキャプテンの柏倉選手は「ブースターの皆さんも期待してくれていたと思う。チームとしては苦しい状況だが、その中でスタッフ含めチーム全員が一丸となって戦った結果として、この1勝を勝ち取ることができた。自分たちの自信になる。本当にうれしい勝利。素晴らしい施設で試合ができることに感謝している。クラブが対応してくれているおかげなので、これからより言い訳ができなくなる。その思いも背負って戦っていきたい」と話した。
プロキャリア初の3Pシュートを決めた川真田選手は「保田さんから自分にも3Pのチャンスがあるぞと言われていて、そのためにも普段の練習から意識はしていた。チャンスがあれば狙おうと思っていた中で、今日はフリーだったので打った」と振り返った。残り時間のない中で出場し、リバウンドなどで貢献したことについては「野本選手から僕への交代で、必ずリバウンドを取れという保田さんの意思も伝わっていきた。自分の仕事をやり通すだけたった。チーム的にもやりたいプレーができたと思う」と話した。
11日は試合の序盤は滋賀ペースで、川真田選手がダンクシュートで会場を沸かすなどリードしたが、2Q、連続で得点を許し、滋賀はオフェンス失敗が続く。三河に連続でオフェンスリバウンドを取られるなど、終始三河ペース。3Qも立て直すことができず、さらにリードされる。試合終盤は若手選手が出場し、「金本選手の初得点」をお膳立てするためのプレーをするが、シュートを決め切ることができず、初得点は次に持ち越しとなった。11日は48-87で敗戦した。
金本選手は「何回もシュートを打って、得点できるところもあったが、イージーシュートを外してしまったので、しっかり決め切って信用を勝ち取っていきたい」と話した。