観光映像のコンテスト「日本国際観光映像祭(JWTFF)」が3月14日~16日、大津市堅田真野浜周辺で開かれた。
JWTFFは、2019年に和歌山大学観光学部教授の木川剛志さんが立ち上げた観光映像祭で、国際観光映像祭(CIFFT)ネットワークに所属する東アジア唯一の映像祭。2022年は鹿児島県与論島で開催された。今年は大津市堅田が会場となり、14日は前夜祭、15日・16日は「SDGsとしての滋賀県」や「高島の魅力」「観光映像のトレンド」などのトークセッションを琵琶湖岸で行った。
15日・16日は海外からの参加者向けにエクスカーション(見学会)があり、15日は高島市の針江地区の湧き水を生活用水に利用する川端(かばた)や酒蔵、16日は堅田の歴史を紹介する「湖族(こぞく)の郷(さと)資料館」や琵琶湖にせり出した橋の先にある浮御堂を見学した。
16日のセッションとエクスカーション終了後、参加者と映像祭の受賞者は遊覧船「一番丸」に乗船し、琵琶湖を周遊。授賞式は伊豆神田神社で行った。
国際部門1286本、日本部門132本の応募があり、国際部門グランプリはインドネシアの「ワンダフル・インドネシア2022ジュワ・ジャガッド・ジャウイ」が、アジア部門グランプリは台湾の「24時間基隆(キールン)」が受賞した。
日本部門グランプリは青森県風間浦村の「よみがえる下風呂小唄~下風呂温泉郷の今~」が受賞。滋賀県部門の最優秀作品はオーストラリア人のイラストレーター、エイドリアン・ホーガンさんが大津市内の三井寺や比叡山、商店街、琵琶湖などを歩いて旅をする姿を撮影した「タイムレス・ジャーニー・イン・オオツ」が受賞した。大津市は観光プロジェクト全体を評価するプロジェクト部門の優秀作品賞にも選ばれた。
大津市観光課の山田創さんは「京都の観光客をいかに大津に誘導するかを考えた。密を避けつつも人との関わりを大事にする旅の映像に仕上がった」と話す。プロデューサーを務めたインバウンド向け観光プロモーションと旅行業を行う「ワンダートランク」(東京都)の轟哲史さんは「大津の景色や体験、食、地域の人とのコミュニケーションを撮影した。撮影は大津市の写真家山崎純敬さんで、音楽は大津市でパン店を営む干川弦さん。オーストラリア、東京、大津から見た大津市がうまく合わさったと思う」と話す。
学生部門「まちあるき賞」は大津市立堅田中学校の生徒が英語で堅田を案内する「The scenic spots in Katata introduced by JHS students」が受賞した。