大津を舞台にした小説「成瀬は天下を取りにいく」とのコラボキャンペーン企画「レッツゴーミシガン」が現在、琵琶湖の観光船「ミシガンクルーズ」で開催されている。
「成瀬は天下を取りにいく」に登場する「おいしや」の近江牛コロッケ&だしまき膳
「成瀬は天下を取りにいく」は2021年に第20回R-18文学賞で大賞を受賞した「ありがとう西武大津店」を含む大津市を舞台にした青春小説。著者は宮島未奈さん。中学2年の主人公「成瀬あかり」が百貨店が閉店するまでの1カ月間毎日、地元ニュースの中継に映り込むと宣言する「ありがとう西武大津店」、成瀬が幼なじみと共にM-1グランプリに挑戦する「膳所から来ました」、成瀬が県外から来た他校の生徒をもてなそうとミシガンクルーズに乗船する「レッツゴーミシガン」などが収録されている。
同企画では、ミシガンクルーズチケット購入時に大津港の窓口で「成瀬は天下を取りにいく」の単行本を提示した人に宮島さんのサイン入りオリジナルキーホルダーを進呈する。
成瀬が友だちに紹介した「湖の駅浜大津おいしや」(大津市浜大津)の「近江牛コロッケ&だしまき膳」にミシガンクルーズの乗船券をセットしたプランも販売している。おいしやの大友啓彰店長は「店が小説に登場していることを知って驚いた。とてもうれしい。聖地巡礼で来店してもらえれば」と話す。
「レッツゴーミシガン」でミシガンに乗船した成瀬にちなんで、中学生・高校生・大学生だけでミシガンに乗船すると乗船料を割り引く「夏休み・学生だけで割」も実施している。ミシガンクルーズを運航する琵琶湖汽船の森香子さんは「コロナ禍で思い出が作れなかった生徒や学生に成瀬のような思い出を作ってもらいたい」と呼びかける。
宮島さんは昨年、琵琶湖クルーズの魅力を発信する「びわ湖アンバサダー」を務めた。森さんは「SNSでの発信などを想定していたが、まさか小説にミシガンクルーズが登場するとは思わなかった。宮島さんはアンバサダーのかがみ。コラボしたいと企画してキャンペーンが実現した。同書をきっかけに大津に来る人が増えて、地域の観光振興につながったらうれしい」と期待を寄せる。
宮島さんは「この3年で10回以上ミシガンに乗船している。成瀬の言う通り『何度乗っても飽きない』。この機会に乗ってみてほしい」と呼びかける。
乗船料は、ミシガン60=大人2,400円、小学生1,200円。ミシガン90=大人3,000円、小学生1,500円。ミシガンナイト=大人3,200円、小学生1,600円。ミシガン90乗船券と「近江牛コロッケ&だしまき膳」セット(ウェブサイトのみで販売)=3,500円。「夏休み・学生だけで割」(要予約)は、学生2人=3,000円、同3人=4,500円。