青少年育成のための水上スポーツ拠点「日本財団渚(なぎさ)の交番KARAHASHI.DECK(カラハシ デッキ)」が8月6日、滋賀県青年会館(大津市唐橋町)にオープンする。運営はNPO法人「琵琶湖ローイングCLUB」。同会館と共同で運営に当たる。
瀬田川沿いにテラス席も設置したカフェレストラン「La COSSO(ラ コッソ)」
瀬田の唐橋の中之島にある宿泊施設、滋賀県青年会館を日本財団の助成を受けてリニューアルした。年齢や障がいのあるなしにかかわらず瀬田川で水上アクティビティーを体験できるという。水上アクティビティーは、SUP(スタンド・アップ・パドルボード)やウオーターチューバー、ボートなどを用意。8日には、一般客も利用できるカフェレストラン「La COSSO(ラ コッソ)」もオープンする。
2013(平成25)年から障がいがある子どもに障がい者ボート競技(パラローイング)を教える教室を開いてきた同NPO代表理事の小原隆史さんは「障がいのある子どもが真ん中で活躍できる場所を作りたいと思ってきた。水上スポーツを通じて地域の子どもと自然に交流できる場所にしたい」と話す。両施設では、障がいのある人がボートの修理やカフェでの勤務などに就くといい、「今後は地域企業と連携して就労支援もしたい。違いがあるのは当たり前なので、それぞれの特性を生かして水上スポーツで助け合うことや、カフェで働いてもらうことが、地域ぐるみでの青少年育成につながれば」と意気込む。
利用に当たり、日本財団から1億6千万円の助成を受け、会館にエレベーターを設置し、会議室を艇庫に変え、会館から直接、瀬田川に出られるようにした。食堂も全面改装。一般客も利用しやすいようにしている。会館理事長の目片信悟さんは「青少年の育成に努めてきたが、地域との連携が不十分だった。地域の人が利用しやすい環境になったので、水上スポーツという新たな展開で子どもたちに水に親しんでもらえるようにしたい」と話す。
日本財団が2015(平成27)年から実施している「渚の交番プロジェクト」は、海辺の活動支援や活動拠点を整備するプロジェクトで、「カラハシ デッキ」が全国で14カ所目となる。近畿圏内では初で、海辺を除くと岡山県真庭市に続いて2カ所目。日本財団海洋事業部部長の木田悟史さんは「誰でも利用してもらえるのがほかにはない特徴。今後の展開に期待したい」と話した。