守山市のメンズテーラーブランド「DAVID LAYER(デビッド・レイヤー)」の社長、伴野友彦さんと弟の伴野彰洋さんが10月17日、森中高史守山市長に「ミラノ・コレクション(ミラノ ファッション ウイーク)」に出展したことを報告した。
ミラノ・コレクションのランウェーを歩く伴野兄弟(写真提供=デビッド・レイヤー)
9月23日にイタリア・ミラノで行われた「デビッド・レイヤー ステージ」では、イタリア人のモデル21人が24着のデビッド・レイヤーの新作スーツを着用し、ランウェーを歩いた。ミラノ・コレクションのために作った緑と赤の「イタリアカラー」の鶴や番傘、扇子など和柄の生地を大胆に使ったスーツを披露し、約700人の観客から大きな拍手が送られたという。
伴野さんたちは23日の本番に向け、20日に関西空港を出発する予定だったが、社会情勢の悪化により飛行機が振り替え便になってしまい、さらにパリで乗り継ぐはずだった便がストライキにより欠航となり、ミラノに到着したのは22日の夕方だった。友彦さんは「もうミラノには行けないのではないかという不安もあったが、これも(成功までの)ストーリーになるかもしれないと状況を楽しむようにした」と振り返る。
23日の当日も、予定していたモデルとは別の人が来るトラブルや、モデルのサイズなどを書いた資料を紛失するなど問題が続出した。友彦さんは「無我夢中に準備したが、このままではみんなの気持ちがバラバラのまま本番になってしまうと思い、モデルと積極的にコミュニケーションを取り、本番前に全員で円陣を組んで士気を高めた。モデルがランウェーを歩く姿をモニターで見ていると緊張した」と話す。
最後に伴野兄弟がランウェーを歩くと、より一層大きな拍手が送られたという。友彦さんは「四大コレクションに出展することは11年前、守山市の小さな部屋で2人で創業した時からの夢だったので、感極まって涙が止まらなかった」と振り返る。
友彦さんは「地方からでも世界に挑戦できると証明できたのではないか。次はパリ、ロンドン、ニューヨークのコレクションに挑戦して、世界四大コレクションを制覇したい。それができれば地方の活性化にもつながるのではないか」と話す。
彰洋さんは「日本の文化を広めたいと思った。今後は海外でも事業展開できれば」と意気込みを見せる。
森中市長は「成功しても『守山から』という思いを持ってくれていることに感謝している。さらなる夢に向かって、これからも守山を配信することも忘れないでほしい」と激励した。