Bリーグ2部の滋賀レイクスが12月23日・24日、滋賀ダイハツアリーナ(大津市上田上中野町)で熊本ヴォルターズと対戦した。
23日は2014-15シーズンに滋賀に在籍した熊本のテレンス・ウッドベリー選手に36得点されるも、滋賀のブロック・モータム選手と湧川颯斗選手が効率良く3ポイント(P)シュートを決め、リバウンドでゴール下を制して105-83で滋賀が勝利した。
滋賀はキャプテンの柏倉哲平選手が古傷の手術のため長期離脱中で、柏倉選手が欠場した3試合は2勝したものの、内容が良くない試合が続いた。滋賀のダビー・ゴメスヘッドコーチ(HC)は「柏倉選手は若い選手が多い中で見本となっていて、ポイントガードとしてゲームをよくコントロールしてくれていた。柏倉選手がいないことで難しいゲームが多かったのは事実。柏倉選手が出場できない状況で、今日初めてアジャストできた試合だった」と振り返った。
24日は前日の得点リーダーの熊本のウッドベリー選手が欠場。ゴメスHCは「ウッドベリー選手が欠場になったことでわれわれも直前にプラン変更になり、アジャストに時間が必要だった」と振り返った通り、1クオーター(Q)は熊本にリードを許す場面もあったが、1Q終了間際に野本大智選手の得点で20-20の同点に追い付く。
2Q、高い位置からディフェンスをして熊本のボールを奪うなど熊本に攻撃をさせず、滋賀が野本選手の3Pシュートなどで得点を重ね、14-0のラン(一方的に得点する)を見せる。野本選手は相手ボールを奪うスチールやオフェンスリバウンドを連続で取るなど、熊本の攻撃機会を奪い続ける。野本選手は「僕が出場している時間帯は自分の持ち味であるディフェンスから流れをつくるというのは常に意識している。(オフェンスでは)いい形で周りの選手がオープンな状況を僕につくってくれた。そういう場面で思い切り打とうというのはずっと決めているので、それがすごく良い形に転んだ」と振り返った。
点差が離れてもディフェンスの強度を落とさず、3Qもライアン・クリーナー選手、モータム選手が3Pシュートを効率良く決め、リードを広げた。試合時間残り2分から熊本に連続で得点され、点差を詰められるも、81-73で勝利。滋賀は19勝7敗となり、B2西地区1位のライジングゼファー福岡に勝率で並んだ。福岡には2敗しているため、現在西地区2位。
ゴメスHCは「コーチとしてゲームプランを用意したが、選手が高いレベルでこの2日間遂行してくれたのでこの結果につながった」と選手を称えた。23日18得点6リバウンド、24日9アシスト4スチールの湧川選手については「練習にも試合にもハードワークしてくれている。彼はあの身長(194センチ)でハンドリングもうまく、上からパスをすることができる。バスケットIQとコートビジョンは元々持っていたが、パスの前の動きについてはコーチとして彼に教えているところ。吸収がかなり早いので、良くなっていると思う」と評価する。
熊本の遠山向人HCは2014(平成26)年から2017(平成29)年まで滋賀でHCを務めた。遠山HCは「滋賀での3年間は、誇りに思ういい時間だった」と話した。3Qにはテクニカルファウルを宣告されても興奮していた滋賀のジャスティン・バーレル選手に対戦相手のHCでありながら、「JB(バーレル選手の愛称)」と声をかけ、落ち着かせようとする場面もあった。遠山HCは「JBは名古屋ダイヤモンドドルフィンズで一緒だった親友。もう1回テクニカルファウルを取られると次のゲームに出場できなくなる。JBは次節に出場できなかったら自分を責めるだろうし、JBを見に来た子どもたちも残念がるだろうから止めたかった」と振り返った。