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大津の菓子店、輪島朝市火災で焼け残った輪島塗の食器展示販売

小西庄五郎漆器店の小西さん

小西庄五郎漆器店の小西さん

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 1月に発生した能登半島地震による火災で焼け残った輪島塗の食器を展示販売する催し「奇跡の漆器」が現在、大津の菓子店で開かれている。

すすが付いたままの飾り皿(非売品)

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 催しを開いているのは叶 匠壽庵(かのうしょうじゅあん)。2月23日から寿長生の郷(すないのさと、大津市大石龍門)の敷地内で、火災で甚大な被害を受けた輪島朝市の中にある小西庄五郎漆器店(石川県輪島市)から買い取った漆塗りの盆や膳、菓子皿、茶たくなどを展示販売する。

 火災で同漆器店は、店舗や自宅、倉庫などが全焼した。2階の防火扉を閉じていたことから4階の倉庫にあった商品が焼け残ったのを知った同社の芝田冬樹社長は8代目の小西泰輔さんに会い、残った商品の買い取りを決めた。

 2月21日には同社のスタッフが現地に向かい、店舗から商品を搬出。同社秘書広報課の関野芽衣さんは「すすが付いた外箱は能登の現状を伝えるためにそのままにしている。トキが描かれた飾り皿も、すすが付着していることで迫力が増しているように思い、そのまま展示している」と話す。

 小西さんは「本当にありがたい。倉庫内で倒れていた棚を立てて商品を運び出してくれた」と感謝する。「少しでも早く生活を立て直したい。道具が焼失した職人も多く、道具が手になじむまで時間もかかるので、以前と同じように仕事ができるかと悩んでいる」とも。

 関野さんは「(当社の)創業当時から小西庄五郎漆器店の器を使ってきた。1回限りの寄付ではなく、焼け残った商品を販売することで輪島塗を残していきたい。客からは『買うことが何かになれば』という声もあるので、今後も販売できる物は買い取って販売したい」と話す。

 3月20日まで(商品がなくなり次第終了)。

 寿長生の郷の営業時間は10時~16時。水曜定休(3月20日は営業)。

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