野洲市が3月14日、コインランドリー「ブルースカイランドリー」を運営する「ジーアイビー」(名古屋市)と「防災時等における防災資器材の提供に関する協定」を締結した。
ブルースカイランドリー野洲店は災害対応型ランドリーとして有事に地域住民に災害キットを提供する
ジーアイビーは2020年1月から全国に災害対応型ランドリーの設置を進め、2023年3月にブルースカイランドリー野洲店(野洲市冨波乙)をオープンした。同ランドリーには約3日分のLPガス、ガス発電機、コンロ、大釜、ガス炊飯器などが備えられており、停電などの災害時に発電してスマートフォンなどの充電ができるほか、備蓄されているガスと器具を利用して、持ち寄った食材で炊き出しができる。
14日の協定締結式では、ジーアイビーが災害時や災害訓練時に近隣の自治体に災害キットやガスの利用を認めることや、災害訓練を行うことなどを約束した。
ジーアイビーが災害対応型のコインランドリーの設置を始めたきっかけは、2019年の台風15号の影響により千葉県内で停電が起こったことだったという。ジーアイビー子会社「ビーエスエル」の野田孝志さんは「運よく停電しなかったコインランドリーに多くの人が来店して、渋滞が起こるほどだった。この台風をきっかけに災害時にコインランドリーが近隣住民の役に立てないかと社内で協議し、災害対応型コインランドリーを設置することにした」と振り返る。
現在、ジーアイビーは全国に災害対応型ランドリーを150カ所展開し、51の自治体と防災協定を締結している。災害時に実際に使えるように全国で災害訓練を実施し、LPガスを発電機に接続する方法やコンロの組み立て方などを指導している。野田さんは「災害時に使えないと意味がない。災害が起こらないことが一番だが、『使えない』と『使わない』は違う。定期的に災害キットを利用する訓練をしてもらえるとうれしい」と話した。