琵琶湖の水位が3月26日6時、「0メートル」に回復した。同日、国土交通省琵琶湖河川事務所が発表した。
2023年9月以降は雨量が少なく琵琶湖の水位が下がり続け、1月4日にはマイナス78センチまで低下したことから滋賀県は「琵琶湖河川事務所 渇水対策支部」を設置。設置は同じくマイナス78センチまで低下した2005(平成17)年以来となった。
琵琶湖の水位は5カ所の観測データを平均して算出。鳥居川観測所(大津市唐橋町)の基準面の高さを0としている。水位1センチ当たりの容積は約68億リットルになる。
水位低下では、一部の港湾や漁港で船の出入りに支障が出た。湖上で宿泊や体験学習を行う教育活動「びわ湖フローティングスクール」では、竹生島港や長浜港への入港を中止。漁船の船首やスクリューの破損、漁獲物の荷揚げの作業性の低下、瀬田川など一部の漁場の縮小など漁業にも影響が出た。普段は水没している坂本城の本丸跡石垣(大津市下阪本3)も露出した。
琵琶湖を東西に結ぶ琵琶湖大橋の橋脚も普段は水没している部分が露出した。琵琶湖大橋のたもとにある「道の駅びわ湖大橋米プラザ」(大津市今堅田3)のスタッフは「琵琶湖大橋の土台が見えて、湖岸は湖底の石が見えていた。子どもたちが湖底の石を触っている姿が見られた」と振り返った。現在は湖底の石は水没している。
1月中に雪が降ったことから水位は徐々に回復。3月7日には渇水対策支部が解散した。