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琵琶湖の魚のかりんとう 大津の漁師が開発「新しい湖魚加工品を」

「びわこのかりんとう」の販売を始めたフィシャーアーキテクトの駒井さん

「びわこのかりんとう」の販売を始めたフィシャーアーキテクトの駒井さん

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 フィシャーアーキテクト(大津市八屋戸)が4月4日、琵琶湖の魚を使ったかりんとう「びわこのかりんとう」の販売を始めた。

現在販売しているのはワカサギとエビのかりんとう

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 大学院で環境建築デザインを学び、琵琶湖の漁師になった駒井健也さんが代表を務めるフィッシャーアーキテクトは、鮮魚の販売や漁体験のほか、ニゴイやゴリなどをペースト状にした瓶詰めやタテボシガイの缶詰など、湖魚の加工品の販売を手がけている。駒井さんは「今までの琵琶湖の魚の保存方法は、ほとんどがつくだ煮だった。つくだ煮の需要が減る中、別の加工方法がないか試行錯誤してきた」と振り返る。「子どもも大人もぱくぱく食べられて、心の底からお薦めできる物を作りたい」と湖魚のかりんとうを作り始めた。

 「生産者が困っている物を商品にしたい」という思いで、2022年にアユのかりんとうを作った。駒井さんは「アユは夏にたくさん取れて値段が下がってしまう。つくだ煮以外の加工スタイルがあれば値崩れしないと思った」と話す。アユのかりんとうは入荷次第、販売している。

 「びわこのかりんとう」は季節によって湖魚の種類を変えて販売する。現在はワカサギとエビを原材料にしている。駒井さんは「ワカサギは夏に稚魚がたくさん取れるが、需要が少なく、特に小さなワカサギはエビと交ざり、選別しきれずに捨てることが多かった。ワカサギとエビが交じった状態で加工して商品にすることで無駄がなくなる」と話す。春はイサザ、夏はワカサギとエビ、冬はアユの稚魚であるヒウオをかりんとうに加工する予定。

 「マルシェに出店して試作品を販売したら、『イサザは子どもにも食べやすい』『アユは苦みがあって酒のつまみに合う』などの声があった。かみしめると素材の違いが分かる。琵琶湖の魚について知ってもらうきっかけになれば」と期待する。

 35グラム800円。フィシャーアーキテクトのECサイトから購入できる。

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