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立命館守山中高がピエクレックスと連携 服から堆肥を作り、野菜栽培

立命館守山中学サイテック部の生徒とピエクレックスの社員、鴨志田農園の鴨志田さんら

立命館守山中学サイテック部の生徒とピエクレックスの社員、鴨志田農園の鴨志田さんら

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 立命館守山中学・高校(守山市三宅町)が5月9日、ピエクレックス(野洲市大篠原)と教育連携協定を締結した。

ピエクレックスを入れて堆肥を作る立命館守山中学サイテック部の部員

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 同校サイテック部が取り組む堆肥作りにピエクレックスが協力し、堆肥場を贈呈するなど、今回の協定締結により両者の連携をより強める。ピエクレックスが製造する「ピエクレックス」はトウモロコシやサトウキビなどを原料とする植物由来の合成繊維で、村田製作所(京都府長岡京市)と帝人フロンティア(大阪市)が共同で開発した。植物由来であることから、一定の条件下で微生物によって分解される生分解性があり、堆肥の材料となる。

 同校校長の岩崎成寿さんは「社会課題を解決する『ゲームチェンジャー』となる人材を社会に輩出することを教育理念にしている。ピエクレックスはアパレル業界のゲームチェンジャー。教育の高度化と地域社会への貢献を実現するために連携したい」と話した。

 ピエクレックス社長の玉倉大次さんは「村田製作所の事業所内に堆肥場を作り、実証実験しているが、外部に堆肥場ができたのは初めて。子どもたちはSNSやゲームなど、ボタンを押せばすぐに結果が出るものと接する機会が多いが、堆肥作りは一朝一夕ではできず、数カ月たって結果が出る。うまくいかないこともあると思うが、時間をかけ、ノウハウを後輩に伝えていってほしい。この取り組みが守山から世界中に広がっていけば」と期待する。

 協定締結後、学内に設置した堆肥場で、サイテック部の中学生13人が鴨志田農園(東京都三鷹市)社長の鴨志田純さんの指導の下、ピエクレックスの端切れと学内で集めた落ち葉、玉津小津漁業協同組合(守山市赤野井町)から譲り受けた淡水真珠の貝殻、立命館大学馬術部から譲り受けた馬糞などを混ぜて堆肥作りを始めた。

 2023年に鴨志田農園内にピエクレックスを使った堆肥で育てる畑を設け、2月にピエクレックス堆肥ができ上り、堆肥で野菜を栽培する実証実験を行っている。鴨志田さんは「話を聞いた時、社会的な意義を感じた。環境や循環という言葉はなじみがないかもしれないが、『食べておいしい』から入れば、多くの人に理解してもらえるのではないか。おいしい野菜を食べ、その野菜の肥料が服からできていると知ることで、気付かないうちに循環の輪に入ってもらえれば」と話す。

 今後は、サイテック部の中高生の部活動を中心に、高校の探求の授業などでも堆肥作りに取り組む。10月、11月ごろに堆肥が出来上がる見込みで、学内の農園の野菜作りの肥料に使うほか、販売も視野に入れている。

 同校副校長の箭内健さんは「たんすの肥やしが本当の肥やしになる。いずれは守山市内の全ての学校の学園祭のクラスTシャツや制服などから堆肥を作り、市内の農園の肥料にできれば」と意気込む。

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