Bリーグの滋賀レイクスが5月25日、今シーズン限りで引退する眞庭城聖選手が2024-25シーズンから滋賀のゼネラルマネジャー(GM)に就任することを発表した。
眞庭選手は1986(昭和61)年5月27日生まれの38歳。日本体育大学ではキャプテンを務め、22歳以下の日本代表にも選出されたが、卒業後はプロ選手にならずにモデルの道へ。アルバイトをしながら3人制のストリートバスケを続けていた。2012年米NBAが主催する大会で優勝し、MVPに選ばれたことをきっかけにトライアウトを受け、2013(平成25)年、27歳で熊本ヴォルターズに加入。プロキャリアをスタートさせた。
茨城ロボッツでは3シーズンキャプテンを務め、2021年に茨城をB1昇格に導いた。滋賀レイクスには2023年に加入。副キャプテンとして、開幕直後に敗戦が続いた時には「自分たちがどこにフォーカスして、これからどういうチームをつくっていかないといけないか」をチームメートに向けて話した。プレーオフの初戦で敗戦した後には、初めてのプレーオフで浮き足立つ選手に「1戦目に負けて気付くのではなく、プレーオフは最初から緊張感を持つべきだ」と話すなど、ベテラン選手としてチームを鼓舞し、B2優勝、B1昇格に導いた。
5月12日に山形ワイヴァンズに勝利し、B1昇格を決めた後のセレモニーで今シーズン限りでの引退を発表。25日に矢橋帰帆島公園で開催されたファン感謝祭のステージで、原毅人社長が1800人のファンに向けて「新GM、マニー(眞庭選手)がいい人、手を挙げて」と叫び、眞庭選手のGM就任を発表した。眞庭選手は「プレーオフが終わってすぐにGM就任が決まった。ファン感謝祭での発表は、レイクスらしさもあり、原社長らしさもあり、僕らしくもあるいい発表の仕方だった」と笑顔を見せる。
セカンドキャリアとしてGMを選んだことについて眞庭選手は「キャリアの中で2回、チームからカット(解雇)されている。その時から選手のキャリアも考えられるようなGMになりたいと思うようになった」と話す。30歳で茨城ロボッツに加入すると同時にグロービス経営大学院に入学し、MBA(経営学修士)取得に向けた勉強を始めた。眞庭選手は「いつ終わってもおかしくない世界だと身をもって実感して準備しないといけないと強く感じた」と振り返る。
今後は、原社長兼スポーツディレクターと、クラブオーナーでプレジデントオブバスケットボールオペレーションズの中山太さんと共にチームをマネジメントしていく。眞庭選手は練習や試合に同行する。「まずはトレーナーやマネジャーが現場でどういう仕事をしているか見て、選手やスタッフ、コーチ陣とコミュニケーションを取ってチームが円滑に進むように、問題があった時に解決できるようにしたい。これまではコーチ陣がどのようなミーティングをしているか知らなかったが、今後はミーティングにも参加し、より全体像が見えるようになる。選手を経験しているからこそコーチやスタッフが選手にどう影響を与えるかが分かる。11年間の自分のプロキャリアでの経験を生かしたい」と話す。
「GMになりたいと思った時に注目したのは広島ドラゴンフライズの岡崎修司GM。選手獲得について細かく説明していることに驚いた。今年、B2を経験した広島がB1で優勝して僕も勇気をもらった」とも。「GMとしての理想は優勝するチームをつくること。もっと滋賀が盛り上がっていけるように愛されるチームにしたい。また見たい、応援したいと思えるようなチームをつくっていきたい。一人一人がもっと魅力的な選手になってもらえるように、選手の魅力を引き出していきたい」と意気込みを見せる。