琵琶湖博物館(草津市下物町)が8月28日、破損したビワコオオナマズ水槽などの復旧を目指し、クラウドファンディングを開始した。
2023年2月10日にビワコオオナマズを展示していた大型水槽が破損。水族展示室を閉鎖し、全ての水槽を点検したところ、10基の水槽でアクリル板にひび割れが見つかった。交換費用調達のため2023年11月から2024年1月にかけて実施したクラウドファンディング第1弾では、790人から1,150万円の支援が集まった。10基のアクリル板の交換は6月25日までに完了し、展示を再開している。現在展示を再開していないのは、破損したビワコオオナマズ水槽と、破損は見られなかったがビワコオオナマズ水槽と同じ構造のコアユ水槽、閉鎖中に行った点検時に破損した「ふれあい水槽」の3基になっていた。
第2弾になる今回のクラウドファンディングでは、目標金額を2,000万円に設定し、ビワコオオナマズ水槽とコアユ水槽の再建を目指す。両水槽は設計を見直し、一から作り直すため、再建費用は1億8,000万円を見込む。2025年3月までに水槽を再建して水を入れ、魚を慣らすなどの準備を経て同年5月ごろの展示再開を目指す。
新ビワコオオナマズ水槽の設計見直しでは安全面に配慮し、以前のような円筒形の水槽ではなく平面を組み合わせた縦2メートル、横3.9メートル、奥行き2.1メートルの四角い水槽にする。擬岩などを配置して琵琶湖の岩場を再現。ビワコオオナマズ1匹を飼育展示する。水槽の裏側には幅3メートルごとに区切った3つの水槽を設置し、ビワコオオナマズ、イワトコナマズ、ナマズ(マナマズ)をそれぞれ1匹ずつ飼育展示する。裏側の水槽は下を通り抜けられるように設計し、ナマズの種類を見分ける特徴になる腹部を見上げて観察できるようにする。
縦1.5メートル、横1.8メートルの新コアユ水槽ではコアユを飼育展示する。水槽の右側には、琵琶湖の「エリ漁」で使う網を展示し、左側にはコアユの漁獲情報などを紹介するコーナーを設ける。
クラウドファンディングのリターンには、バックヤードツアーやナイトツアー、展示の掃除体験、飼育員体験、学芸員の研究体験、広報用写真のモデルになれる権利、一日貸し切りなどを用意する。
同館館長の亀田佳代子さんは「今回は設計から作る大掛かりな工事となり、多額の費用が必要となる。皆さんと共に新しい水槽を作り、琵琶湖の魅力を発信していきたい。今までより魅力的な展示となるように頑張りたい」と意気込みを見せる。
クラウドファンディングは11月25日まで。