ビワコオオナマズ水槽とコアユ水槽の解体・新設工事が始まる琵琶湖博物館で9月30日、ビワコオオナマズの「引っ越し」が行われた。
2023年2月10日にビワコオオナマズを展示していた大型水槽が破損した同水族館は、10月1日から水族展示室を一部閉鎖し、ビワコオオナマズ水槽とコアユ水槽の解体・新設工事を行う。工事に先立ち、ビワコオオナマズを破損後一時的に展示していた水槽からタナゴ水槽に移動させる「引っ越し」を行った。
閉館中の水族館で、水槽の中に飼育員が入り、袋状の網にビワコナマズ1匹を入れ、2人がかりで約90センチのビワコオオナマズを運び、タナゴ水槽の中に放した。ビワコオオナマズは水槽の底の岩の間に入り、「新居」の住み心地を確かめているようだった。
同博物館の学芸員、田畑諒一さんは「タナゴ水槽で展示していた魚は別の水槽に移動させた。一時的な展示だが、イメージは『南湖に生息するビワコオオナマズ』。北湖では光の届かない深い湖の底に生息しているが、南湖では水草が生えていて光も届く湖底に生息している。この機会に、南湖にもビワコオオナマズがいることを知ってもらえれば」と話す。
10月1日から、破損したビワコオオナマズ水槽を解体し、基礎から作り直す。新しい水槽は2025年3月に完成予定で、完成後、水を入れて安全性を確認した後、4月下旬ごろに公開する予定。
同日からは水族企画展示室でビワコオオナマズ、イワトコナマズ、マナマズ、タニガワナマズの日本産ナマズ属魚類全4種を展示する水族トピック展示「日本のナマズ展~水槽再生に向けて~」が始まる。ビワコオオナマズは、水槽破損事故時に横の小水槽にいたものの難を逃れた若魚個体を展示。タニガワナマズは6年ぶりの展示となる。田畑さんは「日本産のナマズ4種が全てそろっているのは琵琶湖博物館だけ。珍しい展示を見てほしい」と呼びかける。
開館時間は9時30分~17時(最終入館は16時)。月曜休館(祝日の場合は開館)。入館料は、大人=800円、高校生・大学生=450円、中学生以下無料。