Bリーグ1部の滋賀レイクスが10月19日・20日、滋賀ダイハツアリーナ(大津市上田上中野町)で琉球ゴールデンキングスと対戦した。
19日は試合序盤から強度の高いディフェンスで琉球の攻撃を抑える。滋賀の森山修斗選手がショットクロック終了間近に3ポイント(P)シュートを決めると、一気に流れに乗り、滋賀が高確率の3Pシュートで得点。1クオーター(Q)終了時点で31-18と琉球を大きくリードする。
2Q、3Q、4Qと琉球が高さを生かしてゴール下の得点で点差を詰めてくるが、滋賀は試合を通してターンオーバーが5と少なく、全員が集中を切らすことなく戦い続けて89-81で勝利。レギュラーシーズン最多来場記録を更新する4456人の観客の前で、今シーズン初勝利を手にした。B1西地区優勝6回を誇る琉球に滋賀が勝利したのは2020年1月以来。
滋賀の前田健滋朗ヘッドコーチ(HC)は「滋賀レイクスを取り巻く全ての皆さんにとっても非常に大きな1勝。全員が出せる力をしっかりと出してコート上でパフォーマンスしてくれた」と振り返った。
森山選手は「滋賀に移籍してから一度も琉球に勝ったことがなかったので、個人的にもうれしい勝利になった。応援を力にして、楽しみながらバスケットができた」と喜んだ。
20日も前日の記録を塗り替える4547人が来場。立見席も販売され、満員状態の会場は試合前から熱気に満ちあふれていた。滋賀は試合開始早々、粘り強くオフェンスリバウンドを拾い続け、野本大智選手の3Pシュートで先制する。「目の色を変えて絶対に勝つという思いを持ってやってきた」と前田HCが振り返ったほどの琉球の猛攻にも、滋賀はディフェンスの強度を落とさず、一つのポゼッション、一つのルーズボールを大切に全員で戦い、42-45と何とか食らい付き、前半を終える。
3Q、琉球の松脇圭志選手に6分23秒で5本の3Pシュートを決められ、一気に点差を離される。「マッチアップする選手を変え、滋賀にいつもと違うことをさせた」という琉球のスカウティングの前に、ゴール下へのパスを封じられ、滋賀の20日のチームアシストは12で、19日の25から激減。立て直すことができず、72-108で敗戦した。
野本選手は「昨日とは琉球のマインドセットが全く違った。やりたいことを全部やられてしまったという負け方だった。松脇選手が連続で3Pシュートを決めて勢いが相手に大きく傾いた時に一本止められれば違う展開になったと思うが、一本も止められなかったのが今の僕ら。でも、もう戦えないとは思わない。まだ改善するところ、伸びしろがたくさんある。これからの成長次第で戦える。勝てるチームになれると思う」と振り返った。
前田HCは「2試合を通して得たものは『本当のB1』」だと話す。「絶対に勝つという思いを持ち、最高の準備をしてくる相手に、いろいろな問題を出される。それをクリアしていかないといけない。昨日負けていたら今日のような琉球とは対戦できなかっただろう。前半3点差だったのはステップアップできた部分。後半は戦い切ることができなかったが、ステップを踏んでいるからこそ出てきた壁だと思うので、そこをまたステップアップしたい」と話した。