高校生が観光ビジネスを提案・実行する「高校版DMO観光ビジネスプロジェクト」の成果報告会が1月22日、大津商業高校(大津市御陵町)で開催された。
同校は2024年度、滋賀県教育委員会の「高校版DMOビジネスプロジェクト」の指定事業として、3年生がビジネスを通した観光地域づくりに取り組んできた。課題研究の授業で社会人講師による観光ビジネス講座、ヒット商品開発講座などを受講し、8班に分かれて観光ビジネスプロジェクトを提案、実行。22日に成果を発表した。
観光ビジネス講座を受講した生徒は高齢者向けツアーを提案。車いす実習や下見などを経て、信楽ツアーとブルーメの丘ツアーを実施した。それぞれ、信楽班は「滋賀県の魅力を再発見してもらう」ことを、ブルーメの丘班は「動物や自然と触れ合いリフレッシュしてもらう」ことを目標にツアーを実施した。
ヒット商品開発講座を受講した生徒は同校のマスコットキャラクターを開発する「大商キャラクター班」や弁当開発班などに分かれて商品開発に取り組んだ。れもん会社班は障害福祉サービス事業所のれもん会社(大津市平津2)と協力してビワコオオナマズのマルチスタンドを製造。「ここ滋賀班」が東京にある滋賀県のアンテナショップ「ここ滋賀」で販売した。「ここ滋賀班」は、STP分析をしてマーケティング戦略行い、マルチスタンドのほか、愛荘町の伝統工芸品の「びんてまり」や近江八幡市の長命寺みそも販売した。
そのほか、滋賀レイクスの試合会場に高校生を誘致する提案や、インバウンド向けツアーの提案などを発表。
発表後には、生徒と共にプロジェクトを進めた社会人講師が講評した。びわこビジターズビューロー(打出浜)の濱田康之さんは「ここ滋賀班」の取り組みについて「分析結果を取り入れ、さらに工芸品を作っている人の話も聞いて調べたことが良かった。しっかり準備して工夫したことが伝わってくる」と評価した。
同校3年でDMO協議会会長の田中南実さんは「伝統工芸のびんてまりのことは初めて知り、私たちには新しく感じた。ここ滋賀で滋賀県について発信できた」と振り返る。同じく3年で副会長の清水芽李亜さんは「滋賀県について調べてみると知らないことも多く、観光客誘致の前に自分たちがもっと知らないといけないと感じた。東京で販売するなど、この学校でないとできない経験ができた。これからの役に立つと思う」と話した。