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琵琶湖博物館でトンボ保全活動展示 滋賀で確認された102種を紹介

「トンボ100大作戦」の展示を見る家族連れ

「トンボ100大作戦」の展示を見る家族連れ

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 滋賀県内に生息するトンボについての展示「トンボ100大作戦~滋賀のトンボを救え!」が現在、琵琶湖博物館(草津市下物町)アトリウムで開かれている。

生物多様性びわ湖ネットワークについて説明する稲垣さん

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 トンボを通じて環境保全に取り組む「生物多様性びわ湖ネットワーク」が琵琶湖博物館で毎年開催している。滋賀県で確認されたことがあるトンボの写真や標本、保全の取り組みなどを展示している。

 滋賀県は湖、湿地、田畑、山地、平地と多様な水辺環境があることから、1990年代には約100種のトンボが生息していた。近年は生息数が減少し、絶滅が危惧されている種もいることから、希少なトンボを次世代に残すため、滋賀県内に事業所がある企業が連携して保全活動に取り組んでいる。同ネットワークの構成企業は、旭化成、旭化成住工、積水化学工業、積水樹脂、ダイハツ工業、ダイフクの6社。

 滋賀県のトンボ100種全種の確認を目指した調査活動を「トンボ100大作戦」と名付け、同ネットワークが確認し撮影した写真を展示。2017(平成29)年にリュウキュウベニイトトンボ、2022年にベニトンボが確認されたことにより現在、滋賀県で確認されたことがあるトンボは102種で、そのうち同ネットワークのメンバーが確認して写真撮影したのは89種。積水樹脂の稲垣和美さんがベニトンボの目撃情報を得て、確認に出向き、2024年に初めて撮影に成功した。稲垣さんは「雄は全身が鮮やかなピンク色で、見つけた時はうれしかった。沖縄など南方に生息するトンボが滋賀県でも確認できるのは温暖化の影響だと考えている」と話す。

 同ネットワークでは、企業ごとに「推しトンボ」を決めて、特に保全に力を入れている。積水樹脂は体長2センチで日本最小のトンボ、ハッチョウトンボを「推しトンボ」として保護している。積水樹脂滋賀工場(竜王町)生物多様性保全エリアには「貧栄養湿地」があり、滋賀県版レッドデータブックに掲載されているハッチョウトンボが生息する。草刈りなどをすることで湿地の環境が守られ、ハッチョウトンボの保護につながっている。

 期間中、2月1日と23日にはクイズラリーとトンボのフィギュア作成ワークショップ、ヤゴの生体展示を行う。

 稲垣さんは「展示を通して身近な生き物に関心を持ってもらえれば」と呼びかける。

 開催時間は9時30分~17時。月曜休館。入館料は、大人=800円、大学生=450円、高校生以下無料。2月24日まで。

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